セブンイレブン

なぜ?セブンイレブンの増量がしょぼいと言われる真相

現役の日本人コンビニ店長が、店内で笑顔でおにぎりを持って案内している様子

マイローカルコンビニ

はじめまして! このブログ「マイローカルコンビニ」の運営責任者であり、現役のコンビニ店長を務めております、**齋藤 正志(さいとう まさし)**と申します。

最近、ネットで「セブンイレブン 増量 しょぼい」という言葉をよく見かけます。私自身、コンビニの新商品はついチェックしてしまうんですが、確かに2025年に行われた一連のキャンペーンでは、ローソンやファミマの「すごい増量」と比較してしまい、「あれ、セブンはこんな感じか…」と、がっかりした人も多いんじゃないでしょうか。

「業界トップのセブンなのに、どうして?」「この『しょぼい』と感じる感覚は、自分だけなのかな?」そんなモヤモヤを抱えている人もいるかもしれません。でも、安心してください。その感覚は、多くの消費者が感じた「客観的な事実」に基づいている可能性が高いです。

実際、セブンイレブンのおにぎりがまずくなった?という噂や、サンドイッチがひどいといった声、さらにはセブンイレブンの底上げがひどいという長年の疑惑まで、消費者の目は厳しくなっています。こうした不満の蓄積が、今回の「増量」キャンペーンへの評価に直結しているようにも思えますね。

なぜ、業界トップのセブンイレブンが「しょぼい」という厳しい評価を受けてしまったのか。その理由を、過去のちょっとした問題から、競合他社との決定的な戦略の違いまで、コンビニ好きの視点からできるだけ詳しく、分かりやすくまとめてみました。

記事のポイント

  • なぜセブンは「しょぼい」と言われるのか
  • 過去の「底上げ」問題と消費者心理
  • ファミマ・ローソンの「すごい」増量戦略
  • コンビニ3社の業績データ比較

セブンイレブンの増量キャンペーンがしょぼい理由

コンビニ店内で、増量キャンペーンについて期待とがっかりした様子の日本人消費者の対比

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「しょぼい」という評価は、決して一時的な印象や感情論だけではないようです。そこには、過去から積み重なってきた消費者との「認識のズレ」と、2025年に実施されたキャンペーンの「内容」が、決定的な要因として存在しています。

最近でも2025年セブンイレブン カレー フェスのような大型イベントはありますが、今回の「増量」に関しては、私たちが「期待外れ」と感じてしまった背景を、少し深く掘り下げてみますね。

なぜ消費者は期待外れなのか

まず大前提として、私たちが「増量」と聞いて期待するのは、シンプルかつ強力なメッセージですよね。それは、「お値段そのままで、食べ物の量が物理的に増える!」という、即物的なメリットです。

特に最近は物価高騰もあって、消費者は「分かりやすいお得感」にとても敏感になっています。そんな中で、コンビニ各社が打ち出す「増量」は、まさに家計を助けてくれる「ささやかな幸せ」だったわけです。

しかし、セブンイレブンが2025年秋に大々的に「増量」と打ち出したキャンペーンの主力は、残念ながら食べ物そのものではありませんでした。それが「ポイント抽選」だったんです。

セブンイレブンと超ときめき♡宣伝部コラボNiziUセブンイレブン先行のような抽選キャンペーン自体は珍しくありませんが、純粋な「増量」を期待していた消費者にとって、これは「求めていたものと違う」と感じさせてしまいました。

多くの人が求めていた「目の前の(物理的な)満足感」とは、ちょっと(いや、かなり)方向性が違ったかなと思います。これが「期待外れ」と感じた第一の理由ですね。

過去の底上げ問題と不信感

コンビニ弁当の底上げを疑い、スマートフォンで情報を確認しながら驚く日本人女性の消費者

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「しょぼい」と感じる背景には、実はもっと根深い問題、つまり「企業体質への不信感」があるように思います。セブンイレブンといえば、残念ながら以前からネットで「ハリボテサンドイッチ」(具が断面の見える部分にしか入っていないように見える問題)とか、お弁当の「底上げ」疑惑がたびたび話題になっていました。

例えば、セブンイレブンたまごサンドの隠し味が話題になる一方で、容器については厳しい目が向けられています。2023年に一部で検証され、注目された「炭火焼さば 幕の内弁当」の容器が象徴的です。

このお弁当、下段のごはん容器が「下にいくにつれて先細っていく形状」だったことが指摘されています。これはセブンイレブン上げ底と消費者庁の見解がどうあれ、消費者には不誠実と映りました。

店頭で商品を上から見ただけだと、ご飯がミッチリ入っているように見えるんですが、実際には容器の底が浅くなっている(=内容量が少なくなる)デザインだったわけです。こうしたセブンイレブンの米は危険とまでは言いませんが、品質や量への疑念が積み重なっています。

齋藤正志
齋藤正志
もちろん、これらは容器の強度やデザイン上の理由があったのかもしれませんし、規定違反の不正行為ではありません。ですが、消費者側から見れば「実態より多く見せようとしてる?」と疑われても仕方がない巧妙なデザインです。 こうした「小さなガッカリ」が積み重なり、「セブンは顧客に寄り添うよりも、自社の都合(コストダウンや見栄え)を優先するのかな…」というイメージが、残念ながら一部の消費者の間で定着してしまったのかもしれません。

この強固な不信感が「フィルター」となって、2025年の増量キャンペーンも、「どうせセブンだから…」と、最初から厳しい目で見られてしまった、という側面は否定できないと思います。

2025年5月の増量祭の実態

ただ、セブンイレブンを一方的に悪く言うつもりはありません。誤解がないようにしたいんですが、セブンイレブンも2025年5月には「お値段そのまま!人気商品増量祭」という、ちゃんとした商品の物理的な増量キャンペーンを実施しています。

これ、内容は結構良かったんですよ。

  • 「ハムとたまごのサンド」:ハムが2倍に増量
  • 「ミックスピザパン」:生地と具材が2倍に増量
  • 「チョコ&ホイップロール」:チョコホイップが1.7倍に増量

「2倍」や「1.7倍」といった訴求は、消費者に対して強いインパクトを与えるもので、これは素直に嬉しかったですよね。私もピザパンを買いましたが、かなりの満足感でした。こうした人気商品は、セブンイレブンの納品時間をチェックして買いに走った人も多いでしょう。

しかし、問題は「同時に」行われた他の施策です。「サクなげ(うま塩/チーズ味)」は通常5個入りが6個入りに(つまり1個増量=20%増)、「とみ田監修 豚ラーメン Wチャーシュー」はチャーシューが1枚増量、といった具合です。これらは、セブンイレブン「きゅうりの一本漬け」販売終了のような残念なニュースに比べれば良いものの、インパクトとしては限定的でした。

これらも確かにお得なんですが、後で紹介する競合他社が打ち出した「40%」や「50%」といった圧倒的な数値と比べると、どうしても見劣りしてしまいました。

結果として、個々の施策は堅実だったものの、競合が市場に設定した「お得感の基準(ベンチャマーク)」には達することができず、消費者に強烈な印象を残すことに失敗しました。この「中途半端さ」が、結果的に「しょぼい」という印象を補強する一因となったと考えられます。

期待を裏切ったポイント増量

そして、セブンイレブンへの「しょぼい」という評価を決定づけたのが、2025年10月から11月にかけて実施されたキャンペーンだと私は思っています。

この時期、競合他社(特にファミマ)の「物量」キャンペーンが大成功した後で、消費者の「増量」への期待値は最高潮に達していました。そのタイミングで、セブンイレブンが「増量」という言葉を大々的に使いながら打ち出した実態は、これでした。

キャンペーン名:セブンマイルからVポイントに交換すると抽選で最大1,000%増量!

これが、消費者の期待との間に「致命的なミスマッチ」を引き起こしました。セブンイレブンのSTPRコラボスイーツのような特定のファン層向けならまだしも、全消費者向けの「増量」としては疑問が残ります。もちろん、セブンイレブンのぷらいち15引き商品の対象など、お得な施策は他にもありますが、「増量」という言葉の使い方が問題でした。

消費者の期待 vs セブンの施策

  • 消費者の期待:「食べ物(モノ)」が「全員」もらえる(=即物的・普遍的・低摩擦なメリット)
  • 実際の施策:「ポイント(カネ)」が「抽選」でもらえる(=金融的・投機的・高摩擦なメリット)

みんなが期待していたのは「おにぎりがデカい!」「パスタが多い!」みたいな、誰でもすぐにレジで実感できる「物理的な満足感」だったんです。

それなのに、セブンイレブンが提示したのは、

  1. まずセブンマイル会員である必要がある
  2. Vポイントに交換する「手間」が必要
  3. しかもメリットを享受できるのは「抽選」に当たった人だけ(1等100名など)

という、非常にハードルが高い(高摩擦)かつ低確率な内容でした。消費者が求めていたのは「確実な満足」だったのに、セブンが提供したのは「不確実な投機」だったわけです。この致命的な期待とのズレこそが、「セブンイレブン 増量 しょぼい」という評価を決定づけてしまった最大の要因だと私は思います。

セブンイレブンの増量としょぼい評価を他社と比較

セブンイレブンのポイント増量キャンペーンに疑問を感じるビジネスマンと、ファミマ・ローソンの増量キャンペーンで笑顔の若者グループの対比

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セブンイレブンが「しょぼい」と言われる最大の理由は、競合のキャンペーンが「すごすぎた」から、という点に尽きるかもしれません。この評価は「絶対評価」ではなく、完全に「相対評価」なんですね。

同じ時期、ファミリーマートとローソンが何をやったのか。それは単なる「増量」を超え、一種の「お祭り(イベント)」であり、社会現象と呼べるレベルでした。セブンイレブンで行列ができる理由が「みそきん」だとしたら、他社は「増量」でそれを作り出したのです。(みそきんの在庫確認方法も大変でしたが…)具体的に見ていきましょう。

比較:ファミマ40%増量作戦

ファミリーマートの「ざっくり40%増量作戦」キャンペーン商品を持って、笑顔でセルフィーを撮る日本人若者たち

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まず、ファミリーマートが2025年8月に実施した「お値段そのまま デカくてうまい!!ざっくり40%増量作戦」です。これが本当にすごかった…。

「ロースかつカレー」や「ファミチキ」といった、ただでさえ人気の主力商品が、本当にお値段そのままで「ざっくり40%」増量されました。

このキャンペーンがいかに消費者の心を掴んだか、アンケート結果が雄弁に物語っています。

ファミマ利用者の声(2025年)

  • キャンペーン満足度:93.3%(「とても満足」38.0%、「まぁまぁ満足」55.3%)
  • 来店頻度の変化:72.5%の消費者が、期間中の来店頻度が「増えた」と回答
  • 来店動機の変化:76.8%が「一番近い別のコンビニより少し離れていてもファミマを選びたいと思った」と回答

特に驚くべきは、3つ目の「76.8%が遠くてもファミマを選ぶ」というデータです。コンビニビジネスにおいて、最大の参入障壁であり、顧客の選択基準である「距離の壁」を、このキャンペーンが打ち破ったことを示しています。

これはもう、単なる値引きではなく、消費者の「行動そのもの」を変容させた、歴史的なキャンペーンだったと言えるんじゃないでしょうか。

セブンがスムージーの買い方スムージーの人気ランキングで地道なファンを獲得しようとしている間に、ファミマは強烈な一撃で顧客を奪っていった印象です。

(もちろん、セブンスムージーのやり方自体は洗練されていますし、アサイースムージーが販売中止になった時は惜しむ声も多かったですし、スムージーCMの女優も話題になりましたが、インパクトが違いました)。

ファミマの実測値は50%超え

このキャンペーンが戦略的に秀逸だったのは、「40%」ではなく「ざっくり40%」という、絶妙な言葉を使った点です。

セブンイレブンが「底上げ」疑惑で信頼を失いかけた(=期待より少なく見られた)のとは対照的に、ファミマは「ざっくり」という曖昧な言葉を使うことで、消費者の心理を巧みにコントロールしました。

この「ざっくり」は、「40%なかったらどうしよう」というネガティブな不安ではなく、「もしかしたら40%を大幅に超える『アタリ』があるかも?」というポジティブな期待感(ワクワク感)へと転化されたんです。

そして、その期待は裏切られませんでした。実際の検証レビューでは、

  • 増量 スパイス香る!ロースかつカレー:通常版 404g → 増量版 620g (実測 約53.5%増)
  • 増量 たんぱく質が摂れる!ローストチキンのパスタサラダ:通常版 259g → 増量版 405g (実測 約56.4%増)

このように、公称の40%を大幅に上回る「アタリ」が続出しました。もちろん、ファミチキのように個体差で34%程度だった商品もあったようですが、それを補って余りある「大当たり」が存在することが、「ざっくり」という言葉の信頼性を逆に高めたのです。

これは「あえて期待値をコントロールし、実績でそれを超えていく(アンダープロミス・オーバーデリバー)」という、信頼構築の王道的な戦略でした。セブンがにんにく黒胡椒餃子チキンチリにんにく醤油漬けといった個々の商品の実力で勝負しているのとは対照的な、見事なキャンペーン戦略でした。

比較:ローソン盛りすぎチャレンジ

ローソンの「盛りすぎ!チャレンジ」キャンペーン商品(大盛りの焼きそば、厚切りロースカツサンドなど)を持って、笑顔でセルフィーを撮る日本人若者たち

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もう一方の雄、ローソンは「お得感」に、さらに「エンターテイメント性」を上乗せしてきました。その名も「盛りすぎ!チャレンジ」です。

ファミマの「40%」というハードルをさらに上回る「約50%増量」という驚異的な数値を打ち出し、定番商品を価格据え置きで「やりすぎ」なレベルの物量にしてきました。

この戦略の狙いは、単なる「お得感」の提供に留まりません。これはもう「お得」を通り越して「ネタ」の領域であり、SNSでの爆発的な投稿(無料の広告宣伝)を誘発すること、つまりキャンペーン自体を「イベント化」することにありました。

セブンのそうめん大根おろしが「まずい?」と噂されるのとは逆に、ローソンは「多すぎ!」で話題を独占したわけです。セブンのソフトクリーム白くまくんアイスカフェオレ氷といった人気スイーツも、この「盛りすぎ」のインパクトには霞んでしまったかもしれません。

ローソンの圧巻の物量と熱狂

ローソンの「盛りすぎ」がいかに常軌を逸していたか、実際の数値を見ると一目瞭然です。

「盛りすぎ!チャレンジ」の実測・公表例

  • 盛りすぎ!ソース焼そば(麺重量約50%増):1,125kcal / 実測 646g
  • 盛りすぎ!厚切りロースカツサンド(2個→3個、50%増):916kcal / 実測 394g
  • 盛りすぎ!高菜明太おにぎり(総重量約50%増):実測 216g

見てください、このカロリー(笑)。焼きそばで1,000kcal超え、カツサンドで900kcal超えって、もはや「昼食」の域を超えた「挑戦(チャレンジ)」ですよね。

この「やりすぎ感」こそが狙いでした。「食べきれるか?」「(ネタとして)買うしかない」という感情を消費者に喚起し、消費者が勝手にSNSで投稿(=UGC: ユーザー生成コンテンツ)してくれる「お祭り」の状態を作り出すことに完璧に成功しました。

消費者は「お得」だから買うだけでなく、「楽しい」から「(このイベントに)参加する」ためにローソンへ足を運んだのです。これは、非常に高度なマーケティング戦略だったと思います。セブンのペットボトルコーヒー三ツ矢サイダーの値段を比較する堅実な層だけでなく、イベント好きの層もガッチリ掴みました。

セブンもアイスティー店舗紅茶マシン千葉大阪神奈川)の導入を進めていますが、ローソンのような爆発力には欠けました。白桃烏龍茶が売ってないといった細かな不満も、こうした派手なキャンペーンの前では小さなことに思えてしまいます。

3社の来店効果と顧客満足度

こうして比較すると、2025年の「増量」に対する3社のアプローチの違いが、本当にはっきりと見えますね。セブンは水ようかんのような季節商品や、いわしせんべいのようなニッチな商品、ガチャボックス西村キャンプ飯コラボなど、多角的に展開していますが、「増量」という一点においては競合に遅れを取りました。

比較項目 セブン‐イレブン ファミリーマート ローソン
キャンペーン名 Vポイント増量 (10-11月) ざっくり40%増量作戦 (8月) 盛りすぎ!チャレンジ (6月)
施策の性質 抽選・会員限定・高摩擦 確実・普遍的・低摩擦 確実・普遍的・エンタメ性
顧客満足度 不明 93.3% が満足 (SNSでの熱狂が証明)
来店効果 不明 76.8%が「遠くても選ぶ」 (SNSでの爆発的話題性)

ファミリーマートとローソンに共通するのは、「行けば必ず」「誰でも」お得感を(あるいはエンタメ感を)体験できる、非常に分かりやすく「低摩擦」なキャンペーンだった点です。特にファミマの「遠くても選ぶ」というデータは、業界の常識を覆すほどのインパクトでした。

対してセブンイレブン(秋)は、「会員登録」「ポイント交換」「抽選」という多くのハードル(高摩擦)があり、お得感を得られる人がごく一部に限られていました。

この「誰でも享受できるか」という差が、満足度の決定的な差になったんだと思います。セブンの冷凍担々麺シャインマスカットパフェといった個別の商品力は高くても、キャンペーン戦略としては失敗だったと言わざるを得ません。

増量戦略が分けた業績の明暗

会議室で、コンビニ3社の業績グラフを見て対照的な表情をする日本人ビジネスパーソン。セブン‐イレブンは減益、ローソンとファミリーマートは最高益を示す。

マイローカルコンビニ

そして、この戦略の違いは、単なる「話題性」に留まらず、企業の「業績」にはっきりと、残酷なまでに表れました。

2025年3〜8月期の中間決算で、コンビニ3社の明暗は明確に分かれたのです。

  • セブン‐イレブン:残念ながら減収・営業減益に。9月度の既存店売上も+0.5%と伸び悩みました。
  • ローソン増収・最高益を更新。9月度の既存店売上高も+4.1%と絶好調。
  • ファミリーマート:同じく増収・最高益を更新。9月度の既存店売上高も+3.3%と堅調。

この結果は偶然ではありません。特にローソンの決算分析では、好調の要因として公式にこう分析されています。

齋藤正志
齋藤正志
(決算分析より) 「『からあげクン』増量キャンペーンが好評で、からあげクンや米飯・調理パン・麺類など中食カテゴリーが軒並み好調だった」

このように、「増量キャンペーン」が名指しで業績(最高益)の要因として挙げられているのです。これは、消費者の「すごい!」という評価が、そのまま企業の業績に直結したことを示す、何よりの証拠です。

消費者の「しょぼい」「すごい」という評価は、コンビニ業界の勢力図を「セブン一強」から「三強均衡」へと塗り替えるほどの、市場の「現実」そのものを正確に反映していたわけですね。

セブンイレブン姫路英賀保駅前店のような個々の店舗の努力とは別に、本部戦略の差が出た形です。サファリハット洗濯洗剤(粉)トイレットペーパーレディース靴下といった日用品の充実は重要ですが、集客の起爆剤にはならなかったようです。

よくある質問

Q:なぜセブンイレブンの増量キャンペーンは「しょぼい」と言われてしまったのですか?

A:主な理由は、消費者の期待と施策がミスマッチだったためです。 多くの消費者が「食べ物(モノ)が物理的に増える」ことを期待していたのに対し、2025年秋のセブンの主力キャンペーンは「抽選でポイントが増量される」という内容でした。 さらに、過去の「底上げ」問題などで不信感が溜まっていたことや、同時期にファミマやローソンが「40%増量」などの圧倒的な物量キャンペーンで成功していたため、それらとの比較で「しょぼい」という評価が決定づけられました。

Q:ファミマやローソンのキャンペーンは、何がすごかったのですか?

A:2社のキャンペーンは、「誰でも」「確実」にメリットを享受できる分かりやすさが特徴でした。 ファミリーマートは「ざっくり40%増量」と銘打ち、実際には50%を超える商品も用意することで「期待を超える満足感」を提供しました。 ローソンは「盛りすぎ!チャレンジ」として、1000kcalを超えるような「ネタ」になる商品を提供し、SNSで話題になる「エンタメ性(お祭り感)」を演出し、集客に成功しました。

Q:セブンイレブンは、食べ物が物理的に増えるキャンペーンをやらなかったのですか?

A:いいえ、2025年5月には「お値段そのまま!人気商品増量祭」を実施しています。 「ハムとたまごのサンド」のハムが2倍になるなど、内容は良かったのですが、競合他社が「40%」や「50%」といった強烈な数値を打ち出したため、インパクトが見劣りしてしまいました。 結果として、消費者の印象に残ったのが秋の「ポイント抽選」キャンペーンだったため、「しょぼい」というイメージが強まってしまったと考えられます。

Q:キャンペーンの違いは、実際に会社の業績に影響したのですか?

A:はい、明確な差が出ました。 2025年3〜8月期の中間決算では、増量キャンペーンが成功したローソンとファミリーマートが「増収・最高益」を更新しました。ローソンは決算分析で「増量キャンペーンが好評だった」と公式に言及しています。 一方で、セブン‐イレブンは同期間で「減収・営業減益」となり、戦略の違いが業績の明暗を分ける結果となりました。

セブンイレブンの増量がしょぼい評価の総括

ここまで見てきたように、「セブンイレブンの増量はしょぼい」という検索ユーザーの評価は、単なる個人の感想や印象論ではなく、複数の客観的な根拠に基づいていることが分かりますね。

この記事の結論として、セブンが「しょぼい」と評価された理由は、以下の3点に集約されると私は考えます。

  1. 過去の「ステルス値上げ」や「底上げ」疑惑によって長年かけて醸成された、企業体質への根深い「不信感」(=期待値がもともと低い)。
  2. ファミマ(実測50%超え)やローソン(1000kcal超えのエンタメ性)という、競合の「圧倒的な相対比較」(=お得感のハードルが上がりすぎた)。
  3. 消費者が「食べ物(モノ)」を期待する市場で、「抽選式のポイント(カネ)」という「致命的な期待のミスマッチ」を犯したこと。

ファミマとローソンが「期待を超える」ことで顧客の信頼をがっちりと掴んだのに対し、セブンイレブンは「期待を裏切る」形になってしまいました。腎臓病食を探す人のような切実なニーズに応える地道な努力も大切ですが、消費者の「お祭り」に参加したいという欲求も満たさなければならなかったのです。

2025年の一連の「増量」戦略は、コンビニ業界の勢力図にも大きな影響を与える、まさに分岐点となったのかもしれません。王者セブンイレブンの、今後の信頼回復に向けた「本気の」施策、例えばセブンの焼きたてクッキー「お店で焼いたクッキー」)やすりおろし野菜ドレッシングのような、本当に価値のある商品を前面に出したキャンペーンに期待したいと思います。

齋藤正志
齋藤正志
この記事で紹介した業績やデータは、公開されている情報や報道(データベース情報に基づく)に基づき作成していますが、あくまで執筆時点でのものです。また、キャンペーンの内容や数値は2025年の事例に基づいています。 最新の正確な情報や現在実施中のキャンペーンについては、各社の公式サイトなどで改めてご確認ください。
  • この記事を書いた人

齋藤正志

コンビニの裏も表も知り尽くしたプロの視点から、新商品やお得なキャンペーン情報をどこよりも詳しく解説中!                                                   ▼保有資格▼                     日本商工会議所主催 販売士検定試験 1級取得,医薬品登録販売者試験 取得,食品衛生責任者 取得,防火管理者,SSTスタッフトレーナー                                              

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