
マイローカルコンビニ
はじめまして! このブログ「マイローカルコンビニ」の運営責任者であり、現役のコンビニ店長を務めております、**齋藤 正志(さいとう まさし)**と申します。
腎臓病と診断され、日々の食事療法に取り組む中で、外食や中食(なかしょく)の難しさに直面している方は多いのではないでしょうか。特に忙しい時や外出先で頼りになるコンビニエンスストア。「セブンイレブン 腎臓 病 食」と検索されたあなたは、セブンイレブンで手軽に食事を済ませたいけれど、塩分やたんぱく質が気になり、一体何を選べば良いのか深く悩んでいることでしょう。
食事制限は、時に孤独やストレスを感じるものです。家族や友人と違うものを選ばなければならない場面や、栄養成分表示を睨みながら棚の前で立ち尽くしてしまうこともあるかもしれません。
この記事では、そうしたあなたの悩みに寄り添い、セブンイレブンをはじめ、ファミリーマートやローソンといった他の主要コンビニ、さらにはイオンのような大型スーパーや、おやつの選択肢としてシャトレーゼまで、幅広く比較・検討します。
腎臓病のコンビニ食のおすすめは何か、腎臓が悪くても食べられるお菓子はあるのか、といった切実な疑問にお答えします。また、腎臓病の食事でおにぎりは食べられますか?
という不安や、セブンイレブンで塩分控えめのパンはどれか、といった具体的な商品選びのヒントを詳しく解説していきます。
記事のポイント
- セブンイレブンで腎臓病食を選ぶ際の具体的なルールとコツ
- 塩分やたんぱく質を抑えたおにぎりやパンの現実的な選び方
- 食事療法中に不足しがちなエネルギーを補給するためのおやつの見つけ方
- ローソンやファミリーマートなど他店の商品との比較ポイント
セブンイレブンで探す腎臓病食の選び方
- 腎臓病のコンビニ食のおすすめは?
- 腎臓病の食事でおにぎりは食べられますか?
- 腎臓病コンビニおにぎりの選び方
- セブンイレブンで塩分控えめのパンは?
- 腎臓が悪くても食べられるお菓子は?
- 腎臓病のおやつをコンビニで探すコツ
腎臓病のコンビニ食のおすすめは?

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腎臓病の食事療法では、病気のステージや個々の状態に合わせて、主に「塩分」「たんぱく質」「カリウム」「リン」の4つを適切に管理することが治療の柱となります。
コンビニエンスストアで販売されている商品の多くは、日持ちをさせるため、また多くの人が満足できる味付けにするために、塩分やたんぱく質が多めに含まれているのが現実です。(参考:一般社団法人 日本腎臓学会「腎臓病の食事療法」)
結論から申し上げますと、コンビニの商品だけで、厳格な腎臓病食を毎日完璧に構成することは非常に困難です。多くの商品は、健康な成人を対象に開発されています。
しかし、現代の食生活においてコンビニを完全に避けることもまた難しいでしょう。どうしても利用しなければならない場合、セブンイレブンでのおすすめの選び方は、「完成されたお弁当」を避け、「単品の惣菜やサラダを賢く組み合わせる」ことです。
幕の内弁当や丼物(どんぶりもの)は、一見バランスが取れているように見えても、腎臓病の基準(例:1食あたり塩分2g以下、たんぱく質15g以下など)で見ると、塩分もたんぱく質も大幅に超過してしまうことがほとんどです。
(例えばきゅうりの一本漬けのような漬物や、冷凍担々麺のような味の濃い麺類は、特に塩分に注意が必要です)。
コンビニ食選びの3つの基本原則
- 栄養成分表示の徹底確認: 商品の裏面にある「栄養成分表示」は必ず確認してください。特に「食塩相当量(g)」と「たんぱく質(g)」の2項目は必須です。時折「ナトリウム(mg)」でしか書かれていない商品もありますが、その場合は「ナトリウム(mg) × 2.54 ÷ 1000 = 食塩相当量(g)」という計算式で換算します。
- 主食は「低たんぱくごはん」が理想: コンビニの白米(お弁当や通常のおにぎり)もたんぱく質を含みます(お茶碗1杯で約4g)。可能であれば、主食はご自宅で用意した「低たんぱくごはん(特殊食品)」に置き換えるのが、おかずで良質なたんぱく質を摂るために最も確実な方法です。
- カリウムとリンを推測: カリウムは生野菜や果物、芋類に多く含まれます。リンは乳製品、魚卵、そして加工食品に多く含まれます。これらは栄養成分表示に記載がない場合が多いため、「何から作られているか」という食材の知識で推測することが重要になります。
セブンイレブンでは、パック詰めの惣菜やサラダが非常に充実しています。例えば、「7プレミアム 素材の味わいかぼちゃサラダ」は、公式サイト等の情報によれば1パックあたりの食塩相当量が0.3g、たんぱく質が1.1gとされています(※時期により変動あり)。
これに持参した低たんぱくごはんを組み合わせ、もし塩分とたんぱく質に余裕があれば、塩分の少ない冷凍ブロッコリーを足すなど、パズルのように組み立てる工夫が求められます。
見えない敵「加工食品のリン」に注意
コンビニの惣菜、ハム、ソーセージ、練り物、お弁当など、多くの加工食品には、日持ちや食感を良くするために「リン酸塩」が食品添加物として使われています。この「無機リン」は、肉や魚にもともと含まれる「有機リン」と比べて、体内への吸収率が非常に高い(ほぼ100%近い)とされています。リンの制限が厳しい方は、特にこうした加工食品の利用には細心の注意が必要です。
腎臓病の食事でおにぎりは食べられますか?

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「腎臓病の食事でおにぎりは食べられますか?」という疑問は、非常に多くの方が抱く不安です。手軽に食べられるおにぎりは、忙しい時の強い味方だからです。結論としては、おにぎりも「選び方と量次第で」食べることは可能です。
ただし、そこには大きな注意点が2つ存在します。
第一に「塩分」です。おにぎりは、ご飯を握る際に手塩(塩水)を使うか、ご飯自体に塩が混ぜ込まれています。さらに、具材にもしっかりと塩分が含まれます。
例えば、鮭や明太子、昆布の佃煮といった塩気の強い具材は、それだけで1g以上の塩分を含むことがあり、おにぎり1個の総塩分量が1.5g近くになることも珍しくありません。
第二に「たんぱく質」です。見落とされがちですが、普通のご飯(白米)は、それ自体がたんぱく質の供給源です。一般的なコンビニのおにぎり1個(約100g)で、約2.5g〜3.0gのたんぱく質が含まれるとされています。
もし1日のたんぱく質制限が40gの方(1食あたり約13g)が、1食でおにぎりを2個食べたとすると、それだけで約6gのたんぱく質を摂取することになります。これは1食のたんぱく質摂取目安の半分近くに達してしまい、主菜(肉や魚)を十分に食べられなくなる可能性があります。
なぜ主食のたんぱく質を減らすのか?
腎臓病の食事療法では、限られたたんぱく質の摂取枠の中で、なるべく体に必要な必須アミノ酸をバランス良く含む「良質なたんぱく質(アミノ酸スコアの高い食品:肉、魚、卵、大豆製品)」を摂ることが推奨されます。ご飯(白米)のたんぱく質は、これらに比べるとアミノ酸スコアが低めです。そのため、たんぱく質を調整した「低たんぱくごはん(特殊食品)」を使い、主食からのたんぱく質摂取を減らすことで、その分をおかずに回し、栄養状態を良好に保つことが治療の重要なポイントとなります。
これらの理由から、コンビニのおにぎりは、あくまで緊急時や、たんぱく質の制限が比較的緩やかな方の選択肢と考えるのが賢明です。
腎臓病コンビニおにぎりの選び方
もしコンビニでおにぎりを選ぶ場合、どのような基準で選べばよいでしょうか。これはセブンイレブンに限らず、すべてのコンビニで共通する選び方です。
最優先すべきは「塩分量の確認」です。商品のパッケージには必ず栄養成分表示がありますので、「食塩相当量」の数値を指差し確認してください。(セブン‐イレブンの商品情報は公式サイトでも確認できます)
ある調査情報によれば、過去にセブンイレブンの「紅しゃけ」おにぎりの塩分は0.7gであったのに対し、ローソンの「鮭」おにぎりは1.4gであったという報告もあります(※時期やリニューアルにより数値は必ず変動します)。
このように、同じような具材でも、企業や商品リニューアルによって塩分量が倍近く違うこともあり得ます。「この具材なら大丈夫」という思い込みで選ぶのは非常に危険です。
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おにぎり選びの4つのポイント
- 塩分1.0g以下を目安に: 1食の塩分目標(例:2.0g)から逆算し、おにぎり1個あたりの塩分はなるべく低いもの(理想は1.0g以下)を選びます。
- シンプルな具材を選ぶ: 「塩むすび」「ゆかり」「赤飯(ごま塩抜き)」「梅(はちみつ梅など塩分が低いもの)」などは、比較的塩分が低い傾向にあります。
- 炊き込みご飯系は避ける: チャーハン、ピラフ、炊き込みご飯、混ぜご飯タイプのおにぎりは、ご飯全体にしっかり味付けがされているため、例外なく塩分が非常に高くなります。
- リン・たんぱく質に注意: 鮭やツナマヨ、明太子、すじこなどの魚介系、チーズおかかなどの乳製品系は、塩分だけでなく「たんぱく質」や「リン」も多く含む傾向があるため注意が必要です。
おにぎりを1つ選んだら、他のおかず(例:サラダ、卵焼き一切れなど)と合わせて、1食トータルの塩分とたんぱく質が制限値に収まるように計算する癖をつけましょう。
セブンイレブンで塩分控えめのパンは?
パンも主食の主要な選択肢ですが、パンは製造過程でふっくらと膨らませるため、また味を調えるために必ず塩を使用します。そのため、一般的にご飯よりも塩分が高い傾向にあることをまず認識しなくてはなりません。
特に危険なのが、ソーセージ、ベーコン、チーズ、マヨネーズ、カレーなどが乗った「惣菜パン」です。これらは、パン生地自体の塩分に加えて、塩分の多い具材、さらにケチャップやマヨネーズといった調味料の塩分が加わる「塩分のトリプルパンチ」状態です。
1個食べただけで塩分が2gや3gを超えてしまうことも珍しくなく、腎臓病食としては非常に選びにくい食品です。
セブンイレブンで比較的塩分が控えめなパンを選ぶなら、味付けのないシンプルな「食パン」や「バターロール」「コッペパン」などが主な選択肢になります。
| 商品名(例) | 1個/1枚あたりの食塩相当量(目安) | 1個/1枚あたりのたんぱく質(目安) |
|---|---|---|
| マーガリン入りバターロール | 約0.4g | 約3.0g |
| セブンプレミアム ゴールド 金の食パン(6枚切1枚) | 約0.6g〜0.7g | 約5.0g〜6.0g |
| たまごサンド(1パック) | 約1.2g〜1.5g | 約10g |
| あらびきソーセージ(惣菜パン1個) | 約2.0g以上 | 約10g以上 |
※上記はあくまで一例です。数値は商品リニューアル等で必ず変動するため、購入時にご自身で栄養成分表示をご確認ください。
食パンやロールパンは、ジャムや(塩分の少ない)マーガリン、エネルギー補給用の特別なジャムなどを塗ることで、効率的にエネルギーを補給しやすいという利点があります。
しかし、表で見た通り、パン自体にも塩分とたんぱく質はしっかり含まれます。あくまで腎臓病食用の「低たんぱくパン」「減塩パン」とは別物であることは、強く理解しておく必要があります。
腎臓が悪くても食べられるお菓子は?

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腎臓病の食事療法では、たんぱく質や塩分を厳しく制限することが求められます。その結果、食事が質素になり、1日に必要な総エネルギー(カロリー)まで不足してしまうことが非常に多くあります。
これが「PEM(たんぱく質・エネルギー欠乏症)」と呼ばれる危険な状態です。
エネルギーが不足すると、体は生きるために自身の筋肉を分解してエネルギー源にしようとします。
その結果、筋肉が痩せ衰えるだけでなく、筋肉が分解された老廃物(尿素窒素など)が増加し、かえって腎臓に大きな負担をかけてしまうという悪循環に陥ります。
このため、食事療法中は「おやつ(間食)」が非常に重要です。おやつは楽しみのためだけではなく、不足しがちなエネルギーを補給するための「補食」として、積極的かつ戦略的に摂る必要があります。
腎臓病の補食として理想的なお菓子の条件は、「低たんぱく・低塩分・低カリウム・低リン」であり、かつ「高エネルギー」なものです。
食事療法中に避けるべきおやつの代表例
- 乳製品: チーズ、ヨーグルト、プリン、カスタードクリーム、ソフトクリームや牛乳を使ったアイスクリーム。これらは「リン」と「たんぱく質」が非常に多く含まれます。
- チョコレート・ココア: カカオ豆は「カリウム」と「リン」の塊です。高カカオチョコレートは特に危険です。
- あんこ類: 和菓子(大福、どら焼き、水ようかん等)。原料のあずき豆は「カリウム」が非常に多く含まれます。
- 芋類: ポテトチップス、スイートポテト、大学芋、芋けんぴ。じゃがいもやサツマイモは「カリウム」の宝庫です。
- ナッツ類: アーモンド、ピーナッツなど。こちらも「カリウム」「リン」が非常に多く含まれます。
- せんべい・スナック菓子: ほとんどの米菓やスナック菓子は「塩分」が非常に高いです。
これらの条件を踏まえると、コンビニで選べるおやつは自ずと限られてきます。おすすめしやすいのは、糖質がエネルギー源となるシンプルなものです。
例えば、たんぱく質ゼロのゼリー飲料(例:「inゼリー エネルギー」)、わらび餅(きな粉はカリウム・リンが多いので注意)、飴、グミ、マシュマロ、白くまくんアイスのような氷菓やシャーベット(乳製品不使用のもの)などが選択肢となります。
シンプルなせんべい(例えばいわしせんべいのような魚を使ったものはリンにも注意しつつ、塩分量を確認)も、量が少なければ食べられる場合があります。
最近人気のセブンイレブンのスムージーは、果物や野菜を多く使うためカリウムが非常に高くなる可能性があり、腎臓病の補食としては原則として推奨されません。
腎臓病のおやつをコンビニで探すコツ
では、セブンイレブンでおやつを探す際の具体的なコツをご紹介します。
データベース内の情報によれば、セブンイレブンの冷凍食品「カリッと食感 大学イモ」は、90gあたりでたんぱく質0.5g、塩分0.01g、エネルギー291kcalとされています。これは、たんぱく質と塩分をほぼ含まずにエネルギー補給ができる、非常に優秀な「補食」と言えます。
ただし、前述の通り、原料が「さつまいも」であるため、カリウムは比較的高めであると推測されます。カリウム制限が厳しい方は、食べる量に注意するか、避けるのが賢明です。
また、「なると金時の洋風芋ようかん」といったチルドスイーツも、同様に芋が原料のためカリウムには注意が必要ですが、たんぱく質が低くエネルギーを補給できるおやつとして紹介された例があります。
セブンイレブンでおやつを探す際の大きな利点として、栄養成分表示が見やすいという点が挙げられます。これはセブン‐イレブン・ジャパンの健康への取り組みの一環でもあり、パッケージの表面に「たんぱく質」「食塩相当量」などが分かりやすくアイコン表示されている商品も多いため、棚の前で裏面をいちいち確認するストレスが軽減されます。
清涼飲料水を選ぶ場合も同様で、三ツ矢サイダーのような糖質の多い炭酸飲料はエネルギー補給になりますが、お茶(白桃烏龍茶など)は種類によってカリウムを含むため注意が必要です。
比較:セブンイレブンと他店の腎臓病食
- ローソンでの商品選びの注意点
- ファミリーマートで見つける低塩分食
- イオン(トップバリュ)の惣菜は?
- シャトレーゼの低糖質スイーツは?
ローソンでの商品選びの注意点

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ローソンも、腎臓病の食事選びの選択肢となる主要コンビニです。ローソンの最大の特徴は、「健康」にフォーカスした独自の商品ラインナップ(ローソン公式サイトの「健康商品のラインナップ」など)が非常に充実している点です。
その代表格が、糖質をコントロールした「ブランパン(ふすまパン)」シリーズです。低糖質で食物繊維が豊富なため健康志向の方に人気ですが、腎臓病の観点からは二重の注意が必要です。
原料の「ブラン(ふすま)」は小麦の外皮であり、精製された白い小麦粉に比べて「リン」や「カリウム」を格段に多く含んでいます。また、チーズやハムを使用した商品も多く、塩分やたんぱく質も高くなりがちです。
また、ローソンでは「塩分25%カット 減塩みそ汁」のようなプライベートブランドの減塩商品も取り扱っている場合があります。しかし、ここにも注意点があります。「減塩」と書かれていても、それはあくまで「メーカーの従来品と比較して」という意味です。
減塩後のみそ汁でも1杯あたりの塩分が1.2g〜1.5g程度あることも多く、腎臓病の厳しい塩分制限(1食2.0g以下)の中では、それだけで大半を占めてしまいます。「減塩」=「腎臓病食として安全」と即断しないことが極めて重要です。
もちろん、お惣菜やサラダも豊富に取り揃えていますが、選ぶ基準はセブンイレブンと全く同じです。必ず栄養成分表示を確認し、塩分とたんぱく質をチェックする習慣が求められます。
ファミリーマートで見つける低塩分食
ファミリーマートも、独自のお惣菜ブランド「ファミマルKITCHEN」(旧「お母さん食堂」)などで、多彩な商品を展開しています。
過去には、ファミリーマートが医療機関と連携し、糖尿病や腎臓病に配慮した「療養食(制限食)」の取り扱いを拡大するという報道もありました。
現在も、その流れを汲む健康志向の商品開発(例:たんぱく質が摂れるシリーズ、スーパー大麦入り商品など)は続けられています。
ファミリーマートの商品を選ぶ際も、基本はセブンイレブンやローソンと変わりません。栄養成分表示の確認が絶対条件です。
ある情報によれば、ファミリーマートの惣菜(例:「無限ピーマンとツナキャベツ」食塩相当量0.9g、「国産野菜を使用した ハムマカロニサラダ」食塩相当量0.8gなど)には、1パックあたりの塩分を1.0g以下に抑えた商品も存在するようです(※2024年7月時点の情報。リニューアルにより変動します)。
こうした低塩分惣菜を、持参した低たんぱくごはんと組み合わせることで、1食の塩分・たんぱく質をコントロールしやすくなる可能性があります。ファミリーマートも積極的に商品棚をチェックする価値があると言えます。
コンビニによる栄養表示の違いに注意
コンビニ各社で、栄養成分表示の仕方が異なる場合があります。セブンイレブンのように表面に分かりやすく記載されている場合もあれば、裏面に詳細がまとめて記載されている場合もあります。また、古い商品や一部のメーカー品では、ローソンに限らず「食塩相当量」ではなく「ナトリウム」表記の商品が残っている可能性もゼロではありません。その場合は、前述の「ナトリウム(mg) × 2.54 ÷ 1000」という計算を忘れないでください。
イオン(トップバリュ)の惣菜は?

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比較対象として、コンビニではありませんが、全国展開するスーパーマーケット「イオン」のプライベートブランド「トップバリュ」も、食事療法の強力な選択肢となります。
トップバリュの最大の強みは、その圧倒的な商品数と、健康配慮の専門ラインナップです。「トップバリュベストプライス」「トップバリュ」に加え、「トップバリュ グリーンアイ(オーガニックやナチュラル)」、「トップバリュ セレクト(こだわり品質)」など多様なブランドがあります。
特に冷凍食品コーナーには、塩分やカロリーに配慮した商品が数多く並んでいます。例えば、「チキン南蛮と高菜ごはん」という冷凍弁当は、1袋(300g)あたりの食塩相当量2.3g、たんぱく質19.2g、カリウム363mg、リン210mgと、非常に詳細な栄養成分が表示されている例があります(※公式サイト情報)。
この数値は、腎臓病の1食分としては塩分もたんぱく質も多めですが、コンビニ商品ではまず記載のない「カリウム」や「リン」の含有量まで明記されている点は、他の商品にはない決定的なメリットです。自分の制限値と照らし合わせ、食べられるかどうかを判断する具体的な材料になります。
また、「6種の和惣菜」のような少量多品種の冷凍惣菜や、「塩分25%カット」を謳う冷蔵惣菜(きんぴらごぼう、ひじき煮など)も充実しており、自宅での調理や「あと一品」を強力にサポートしてくれます。
シャトレーゼの低糖質スイーツは?

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おやつの選択肢として、手頃な価格で人気の洋菓子店「シャトレーゼ」が注目されることがあります。シャトレーゼの大きな特徴は、「糖質カット」のスイーツやパンを、驚くほど多くの種類取り揃えている点です。
糖尿病性腎症の方など、腎臓病と同時に厳格な血糖コントロールも必要な場合、これらの「糖質カット」スイーツは非常に魅力的に映るかもしれません。
しかし、ここには非常に大きな落とし穴があります。絶対に覚えておいてほしいのは、「低糖質」は「腎臓病対応(低たんぱく・低カリウム・低リン)」では全くないということです。
「低糖質スイーツ」が腎臓病に不向きな理由
シャトレーゼの低糖質スイーツは、小麦粉の代わりに「大豆粉」「ふすま(ブラン)」「アーモンドプードル」を使用したり、砂糖の代わりに血糖値の上がりにくい甘味料を使用したりして作られています。
- 大豆粉・ふすま・アーモンド: これらはすべて、精製された小麦粉に比べて「カリウム」や「リン」を非常に多く含む食材です。
- 乳製品・卵: ケーキやシュークリームには、「生クリーム」「牛乳」「チーズ」「卵」がふんだんに使われており、これらは「リン」と「たんぱく質」の宝庫です。
- チョコレート: 低糖質チョコレートであっても、原料のカカオは「カリウム」「リン」を多く含みます。
シャトレーゼの商品が全て腎臓病に不向きというわけではありませんが、「糖質カットだから大丈夫」という安易な判断は非常に危険です。
これらはあくまで「糖尿病(血糖コントロール)」に着目した商品であり、腎臓病患者さん向けの専用品ではないことを強く認識してください。もし選ぶのであれば、原材料を熟読した上で、シンプルなゼリーやシャーベット(乳製品不使用)などを選ぶのが無難でしょう。
よくある質問
Q:結局、セブンイレブンのお弁当は腎臓病でも食べられますか?
A:完成されたお弁当(幕の内や丼物)は、1食で塩分とたんぱく質が腎臓病の基準を大きく超えてしまうことが多いため、原則としておすすめできません。もしセブンイレブンを利用する場合は、お弁当ではなく「単品の惣菜」や「サラダ」を選び、ご自宅から持参した「低たんぱくごはん」と組み合わせる方法を推奨します。
Q:セブンイレブンのおにぎりを選ぶ時の、一番の注意点は何ですか?
A:「食塩相当量」と「具材」の2点です。まず必ず栄養成分表示を見て、「食塩相当量」が1.0g以下の商品を選んでください。また、鮭や明太子、ツナマヨ、魚卵などは「たんぱく質」や「リン」も多く含むため、塩むすびやゆかり、昆布など、できるだけシンプルな具材を選ぶのが安全です。
Q:腎臓病でも食べられる「おやつ」はセブンイレブンにありますか?
A:はい、エネルギー補給のための「補食」として選べます。プリンやアイスクリームなどの乳製品、チョコレート、あんこ類は「リン」や「カリウム」が多いため避けてください。おすすめは、「たんぱく質0g」と書かれたゼリー飲料、飴、グミ、またはシャーベット(氷菓)などです。「大学イモ」などもエネルギー補給には適しますが、カリウム制限がある方は量に注意が必要です。
Q:セブンイレブン以外(ローソンやファミマ)でも、選び方は同じですか?
A:基本的な選び方は全く同じです。ローソンの「ブランパン」は低糖質ですがカリウムやリンが高い可能性があったり、ファミリーマートに低塩分惣菜があったりと、各社に特徴はあります。しかし、最終的にはどのコンビニでも、ご自身の目で「栄養成分表示(食塩相当量とたんぱく質)」を確認し、ご自身の制限値と照らし合わせることが最も重要です。
総括:セブンイレブンで腎臓病食を選ぶ
最後に、セブンイレブンをはじめとするコンビニで腎臓病食を選ぶ際のポイントを、改めてリストでまとめます。
- コンビニ商品だけで完璧な腎臓病食を毎日揃えるのは困難と心得る
- 選ぶ際は「完成弁当」を避け、「単品(惣菜・サラダ)」の組み合わせを基本とする
- 購入前に必ず「栄養成分表示」の「食塩相当量」と「たんぱく質」を確認する
- 主食は「低たんぱくごはん」を持参・併用するのが最も安全で確実
- おにぎりを選ぶなら塩分1.0g以下を目安に、具材がシンプルなものを選ぶ
- 炊き込みご飯系のおにぎりや、魚卵・チーズ系の具材は避ける
- たまごサンドを含む惣菜パンは塩分・たんぱく質ともに多いため避ける
- おやつは「エネルギー補給」と割り切り、「高カロリー・低たんぱく」なものを選ぶ
- 大学イモや芋ようかんはエネルギー補給に適するがカリウム量には注意する
- 乳製品(プリン、ソフトクリーム等)やチョコ、あんこを使ったおやつは原則避ける
- 補食として最も安全なのは「たんぱく質ゼロ」のゼリー飲料や飴、グミなど
- 白くまくんアイスのようなシャーベット(乳製品不使用のもの)は選択肢になる
- セブンイレブンは栄養表示が表面にあって見やすい商品が多い利点がある
- 加工食品に含まれる添加物「リン酸塩(無機リン)」の吸収率に常に注意する
- ローソン(ブランパン)やファミリーマート(健康惣菜)にも一長一短がある
- イオン(トップバリュ)は冷凍食品と、カリウム・リン表示に強みがある
- シャトレーゼの「低糖質」は「低カリウム・低リン」ではないため厳重に注意する
- スムージーは果物・野菜が多くカリウム過多のリスクがあるため推奨されない
食事療法は、無理なく、悩みすぎず、そして長く継続することが最も重要です。コンビニを利用する日は「完璧を目指さない」と割り切り、これらのポイントを参考に、ご自身の制限値の中で賢く商品を選んでください。判断に迷った際は、商品の写真や栄養成分表示を記録し、次の診察時に主治医や管理栄養士に相談するのが一番の近道です。