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ファミリーマート腎臓病食店舗一覧と活用法!現役店長が解説

ファミリーマート腎臓病食店舗一覧と活用法!現役店長が解説

マイローカルコンビニ

はじめまして!このブログ「マイローカルコンビ」の運営責任者であり、現役のコンビニ店長を務めております、齋藤 正志(さいとう まさし)と申します。

ご家族やご自身の健康を守るために、「ファミリーマートの腎臓病食」に関する店舗一覧を必死に探されているのですね。私も店頭に立っていると、時折お客様から「タンパク質を調整したパンは置いてないの?」「塩分の少ないお弁当を探しているんだけど」といった切実なご相談を受けることがあります。

食事療法は毎日のことですから、身近なコンビニで安全な食品が手に入れば、これほど心強いことはありませんよね。低タンパク質のパンや塩分を控えたカップ麺、あるいは透析治療中の方でも安心して食べられるお弁当が、一体どこのお店にあるのか。公式のリストがあれば一発で分かるのに…という歯痒い思い、痛いほどよく分かります。

しかし、残念ながら現時点では、公式に網羅された「腎臓病食取り扱い店舗リスト」は見当たらないのが実情です。だからといって、コンビニ利用を諦める必要はありません。

この記事では、現役店長の視点から「なぜリストがないのか」という裏事情から、現状での最も確実な入手方法、そして何より「一般の商品を工夫して食事療法に活かすための具体的なノウハウ」を、どこよりも分かりやすく、そして詳しくお伝えします。

記事のポイント

  • 現在確認できる療養食プログラムの実施状況と、隠れた取り扱い店舗の探し方が分かります
  • 公式リストが存在しない場合でも、無駄足を防ぐ最も確実な問い合わせ方法を理解できます
  • 一般のコンビニ商品を腎臓病食として活用するための、プロ直伝の具体的な調整技術が身につきます
  • 成分表示には書かれていない「リン」や「カリウム」のリスクを回避する選び方が分かります

ファミリーマートの腎臓病食の店舗一覧と現状

  • 療養食コーナーと現在の取り扱い店舗
  • 腎臓病食を扱う病院近くの店舗の探し方
  • 問い合わせ推奨と公式情報の確認方法
  • 低タンパク質のパンやカップ麺の在庫
  • 代替案としての一般商品活用の基礎

療養食コーナーと現在の取り扱い店舗

まず結論から率直に申し上げますと、残念ながら現時点において、ファミリーマート本部が公式に一般公開している「腎臓病食取り扱い店舗一覧」というリストは存在しない可能性が極めて高いです。私自身、毎日店舗のPOSシステムや本部からの通達に目を通していますが、全店共通で配布されているような「最新の療養食取扱店リスト」といったものは見当たりません。

「昔はあったと聞いたことがあるけど?」という方もいらっしゃるかもしれません。おっしゃる通り、過去にはファミリーマートは医療機関との連携を強化し、病院内の店舗やその近隣店舗を中心に「療養食コーナー」を設置するプログラムを大々的に展開していました。

具体的には、2015年頃から「メディカルフーズ(療養食)」の取り扱いを強化し、タンパク質を調整したレトルト食品や、塩分を極限まで抑えた調味料、低タンパク米など、最大でおよそ90品目ものラインナップを揃える計画が進められていました。当時は「2017年度までに全国200店舗へ拡大する」という目標も掲げられており、実際に専用の棚が設置された店舗も存在しました。

しかし、コンビニエンスストアの商品回転は非常に早く、需要と供給のバランスがシビアに問われます。賞味期限の管理が難しく、かつ購入層が限定される療養食は、通常の店舗では在庫維持が難しかったという背景があります。特に、私たちのようなフランチャイズ店舗では、廃棄ロスを減らすことが経営の生命線であるため、回転率の低い商品を常時置くことは非常にハードルが高いのです。

そのため、現在では「全店的なプログラム」としてのリスト公開は行われておらず、各地域のオーナーや店長の判断、あるいは病院との個別契約に基づいて、ひっそりと、しかし確実に必要とされる場所にだけ設置されているのが現状です。

現在の状況についての注意点

インターネット上には、数年前の古いプレスリリースや、個人のブログ記事などが残っており、そこには過去の「取り扱い予定店舗」が記載されていることがあります。しかし、それらの情報の多くは更新されていません。古い情報を頼りに遠方の店舗へ足を運んでも、すでに専用コーナーが撤去されているケースが多々ありますので、事前の確認なしに向かうことは避けてください。

腎臓病食を扱う病院近くの店舗の探し方

腎臓病食を扱う病院近くの店舗の探し方

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「公式リストがないなら、もう探しようがないのか」というと、決してそうではありません。私たちコンビニ業界の人間からすると、「ある場所に狙いを定めて探す」ことで、取り扱い店舗に出会える確率は格段に上がります。

その狙い目となるのが、ずばり「医療機関との連携が強い店舗」です。

ファミリーマートは現在、ヘルスケア戦略の一環として、調剤薬局と一体になった店舗や、処方せん薬の受け渡しサービス「ファミマシー」を行っている店舗を増やしています。また、大学病院や総合病院の敷地内、あるいは透析クリニックの目の前にある店舗も存在します。

こうした店舗は、一般的な住宅街や駅前の路面店とは異なり、店長やオーナーが「患者様のニーズ」を第一に考えて品揃えを行っています。例えば、透析患者様が多く来店される店舗であれば、透析後に必要なエネルギー補給ゼリーや、塩分を抑えた食品を意図的に発注しているケースが多いのです。これは本部主導というよりも、現場の店長が「お客様のために」と考えて独自に行っているケースも多々あります。

具体的な探す際の手順とポイント

  1. Googleマップ活用: 検索窓に「腎臓内科」や「透析クリニック」「人工透析」と入力し、ご自宅近くの医療機関を探します。
  2. 最寄り店舗の確認: その医療機関の敷地内、または徒歩1〜2分圏内にあるファミリーマートを特定します。
  3. 外観のチェック: ストリートビューなどで、看板に「薬局(Pharmacy)」の文字があるか、あるいは「処方せん受付」ののぼり旗があるかを確認します。

特に「病院内店舗(ホスピタルローソンなどと同様の形態)」として営業しているファミリーマートは、ほぼ間違いなく何らかの配慮された食品を扱っています。一般客の出入りが制限されている場合もありますが、誰でも利用できるエリアにある病院内店舗は、まさに「隠れた専門店」と言えるでしょう。

問い合わせ推奨と公式情報の確認方法

インターネット上で確実な情報が得られない以上、最も確実で、かつ無駄足を踏まない方法は、非常にアナログですが「店舗への直接の問い合わせ」に尽きます。「店舗一覧」と検索して出てくる不確かな情報に一喜一憂するよりも、以下の手順で確認することをお勧めします。

まず、ファミリーマートの公式サイトにある「店舗検索」機能を使い、先ほどピックアップした「病院に近い店舗」の電話番号を調べます。そして、電話をかける際は、単に「腎臓病食はありますか?」と聞くのではなく、以下のように具体的な商品名を挙げて聞いてみてください。

齋藤正志
齋藤正志
店長に伝わる魔法の聞き方 :「マイサイズ(大塚食品)のような低カロリー・低塩分のレトルト食品や、低タンパク質のパックご飯(ゆめごはん等)は置いてありますか?」

なぜ具体名が必要かというと、アルバイトスタッフの中には「腎臓病食」という言葉だけでは、どのような商品を指すのかイメージできない子もいるからです。「パックご飯」や「レトルト」と言えば、売り場を具体的に思い浮かべて確認してくれます。

また、もしその店舗に在庫がなくても、ベテランの店長やスタッフであれば「うちにはないけど、〇〇病院前のファミマなら置いてあるかも」といった、地域独自のネットワーク情報を持っていることもあります。なお、一般的な商品の在庫状況については、ファミリーマート在庫確認!アプリ不可でも見つける確実な全手法の記事でも詳しく解説していますので、併せて参考にしてみてください。

どうしても個別の店舗に電話をかけるのがハードルが高い場合は、ファミリーマート本部の「お客様相談室」に問い合わせるのも一つの手です。ただし、本部はリアルタイムの各店舗の在庫状況までは把握していないことが多いため、あくまで「療養食コーナー設置の可能性がある店舗」を紹介してもらうスタンスで相談するのが良いでしょう。

具体的な窓口については、ファミリーマート苦情メールの送り方の記事内で紹介している連絡先フォームなどが活用できます。

低タンパク質のパンやカップ麺の在庫

低タンパク質のパンやカップ麺の在庫

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腎臓病食の中でも特にニーズが高く、かつ探している方が多いのが、主食となる低タンパク質のパンやカップ麺です。毎日の食事で、ご飯ばかりでは飽きてしまいますし、たまにはパンやラーメンが食べたいという欲求は、人間として当然のことです。

しかし、これらは通常のコンビニ商品としては、非常に流通量が少ないのが現実です。低タンパク質パン(例:越後のパンなど)や、無塩製麺のカップ麺は、一般的なスーパーやコンビニではほとんど見かけません。これらは特殊な製法で作られており、賞味期限もまちまちであるため、一般の流通ルートに乗りにくいのです。

ファミリーマートでは、一般向けに非常に美味しいパンが多数販売されています。私自身、2025年版ファミリーマートのパンベスト10を記事にするほどファミマのパンは大好きですが、これらはあくまで「一般の健康な方」向けの商品です。

ここで一つ、非常に重要な注意点があります。店舗で見かける「低糖質パン」や「ブランパン」と混同しないでください。

最近のコンビニでは、ダイエットや糖尿病の方向けの「ロカボ(低糖質)」商品が充実しています。しかし、「低糖質」と「低タンパク質」は全くの別物です。

むしろ、低糖質のパンや麺には、小麦ふすま(ブラン)や大豆粉が多く使われており、これらは通常の小麦粉よりも「カリウム」や「リン」が多く含まれている場合があるのです。腎臓病の方にとって、カリウムとリンの制限は生命線ですので、パッケージの「低糖質」という文字だけで判断するのは非常に危険です。

もし、どうしても近隣のファミリーマートで低タンパク質食品を入手したい場合は、店長に相談して「客注(きゃくちゅう)」という形での取り寄せが可能か聞いてみるのも一つの方法です。ただし、この場合は1個単位ではなく、ケース単位(箱買い)での発注が条件になることがほとんどですので、保管場所や費用面も考慮する必要があります。

代替案としての一般商品活用の基礎

ここまで、「専用の腎臓病食」を探す方法をお伝えしてきましたが、もし近隣に見つからなかったとしても、絶望する必要はありません。私たちには、もっと身近な解決策があります。それは、「一般のコンビニ商品を、知識を持って選び、工夫して食べる」という方法です。

腎臓病の食事療法には、皆様ご存知の通り「低タンパク質」「低塩分」「カリウム制限」「リン制限」という四大原則があります。コンビニ商品は一般的に「保存性を高めるために塩分が多い」「添加物(リン)が多い」と思われがちですが、これらを「物理的に取り除く」「量を調整する(残す)」という技術を使うことで、リスクを大幅に減らし、安全な食事に近づけることが十分に可能なのです。

例えば、お弁当のソースをかけないだけで塩分は減らせます。具材を選別することでカリウムを避けられます。専用食に頼りきりになるのではなく、どこにでもあるファミリーマートの商品を「自分の目で見て、判断して、調整する」スキルを身につけることこそが、長期的な食事療法を続ける上で最も強力な武器になります。

次章からは、どこのファミリーマートでも明日からすぐに実践できる、現役店長直伝の具体的な調整テクニックを詳しく解説していきます。

店舗一覧にないファミリーマート腎臓病食の活用術

  • 塩分を控えたコンビニ弁当の選び方
  • おにぎりとパンのリンやカリウム量
  • サラダチキンなど惣菜のタンパク質調整
  • 麺類のスープと塩分を制限する食べ方
  • 成分表示にない添加物とリンの確認
  • よくある質問
  • ファミリーマート腎臓病食の店舗一覧に関する総括

塩分を控えたコンビニ弁当の選び方

塩分を控えたコンビニ弁当の選び方

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お弁当コーナーで商品を選ぶ際、私たちにとって最大の敵となるのが「塩分(食塩相当量)」です。慢性腎臓病(CKD)のステージによっては、1日の塩分摂取量を6g未満、1食あたりでは2.0g以下に抑えることが強く推奨されています。

(出典:厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』および日本腎臓学会CKD診療ガイドラインより)

しかし、コンビニのお弁当の裏面を見てみてください。平均して3.0g〜5.0g程度の塩分が含まれているものがほとんどです。「これでは何も食べられない」と思ってしまいますよね。ですが、ここで諦めるのは早いです。

実は、この表示されている塩分量のすべてが、おかずやご飯の中に練り込まれているわけではありません。ここで使える最強のテクニックが、「付属の調味料を捨てる」「漬物を残す」ことです。

例えば、唐揚げ弁当やシュウマイ弁当、ハンバーグ弁当には、小袋に入った醤油、ソース、タルタルソース、ドレッシングなどが付いていることが多いですよね。

これらを「かけずに食べる」だけで、商品にもよりますが塩分を0.5g〜1.0g近くカットできる場合があります。味が薄いと感じる場合は、ご自身で用意した「減塩醤油」を数滴垂らすか、レモン汁やお酢、七味唐辛子などの「酸味・香辛料」を活用して満足感を高めましょう。

また、ご飯の上に乗っている梅干しや、お弁当の隅っこに必ずと言っていいほど入っている「桜大根」や「しば漬け」。これらは塩分の塊です。もったいない精神は非常に大切ですが、腎臓を守るためには、これらを心を鬼にして残してください。これだけでさらに0.5g前後の減塩になります。

丼ものには要注意!

 牛丼、カツ丼、親子丼などの「丼もの」は、美味しい「つゆ」がご飯全体に染み込んでしまっています。これは、塩分を物理的に取り除くことが不可能です。もし丼ものを選ぶなら、具材とご飯が分かれている「セパレートタイプ(中皿があるタイプ)」の商品を選び、具材の汁気をしっかり切ってから、白いご飯に乗せるようにしましょう。これだけで大きな違いが生まれます。

おにぎりとパンのリンやカリウム量

手軽な食事の代表格であるおにぎりとパンですが、ここにも「具材選び」という重要な分岐点があります。何も考えずに選んでしまうと、知らず知らずのうちにリンやカリウムを過剰摂取してしまうリスクがあります。

まずおにぎりの場合、「昆布」は絶対に避けたほうが無難です。昆布はカリウム含有量が食品の中でもトップクラスに高く、少量であっても腎臓への負担が大きいです。また、「明太子」や「いくら」などの魚卵系も、塩分とリンが非常に高いため推奨できません。

比較的安心して選べるのは、定番の「鮭」や、マヨネーズで和えてある「ツナマヨ(ただし塩分に注意)」、そして最も安全なのは「塩を使っていない白飯おにぎり」です。最近のファミリーマートでは、塩分を使っていないおにぎりも販売されることがありますが、もし通常の「塩むすび」を選ぶ場合は、表面に振られた塩分が高いので、他のおかずを完全無塩にするなどの調整が必須です。

次にパンに関してですが、クリームパンやチョコパン、あんパンなどの菓子パンは、エネルギー補給にはなりますが、それ以上にリンやカリウム、そして糖分の管理が難しくなります。基本はシンプルな「食パン」や「ロールパン」「クロワッサン」を選びましょう。

ただし、パンには製造過程で「イーストフード(発酵を促す添加物)」や乳製品が使われていることが多く、これらはリンを含んでいます。主食をパンにする場合は、おかずで加工肉(ハム・ソーセージ)を避ける、牛乳を控えるなど、1回の食事トータルでのリン摂取量を計算する意識を持つことが大切です。

サラダチキンなど惣菜のタンパク質調整

近年の健康ブームで、ファミリーマートでも大人気の「サラダチキン」。高タンパク質・低糖質・低脂質で、ダイエット中の人にとっては神様のような商品です。しかし、腎臓病(特に保存期CKD)の方にとっては、この「高タンパク質」が逆にリスクになり得ます。

腎臓の機能が低下している場合、タンパク質を分解する際に発生する老廃物を十分に濾過できず、腎臓にさらなる負担をかけてしまいます。そのため、医師から「1日のタンパク質摂取量は40g〜50g程度に」と制限されている方も多いはずです。

一般的なサラダチキンは、1個あたり約20g〜25gものタンパク質が含まれています。これを1個まるごと食べてしまうと、それだけで1食分のタンパク質許容量のほとんど、あるいは全てを使い切ってしまいます。これにご飯(ご飯にもタンパク質は含まれます)を合わせると、完全にオーバーです。

サラダチキンを食べる際は、「1個まるごと食べない」という勇気を持ってください。1/3程度にカットしてサラダに乗せ、残りはラップに包んで冷蔵庫へ入れ、翌日の食事に回す。この「分割食」の考え方が重要です。

食品名 腎臓病食としてのリスク 推奨される対策
サラダチキン タンパク質過多・リン酸塩の使用 1/3程度にカットして食べる。 プレーン味を選ぶ。
ゆで卵 卵黄にリンが多い 1個までにするか、卵黄を半分残す。 卵白を中心にする。
納豆 タレの塩分・カリウムが多い 付属のタレ・からしを使わない。 1パック全部食べず半分にする。
冷奴(豆腐) タンパク質・カリウム 薬味(ネギ・生姜)で風味をつけ、 醤油は数滴にする。

また、サラダチキンとゆで卵、さらに納豆などを同じ食事で組み合わせてしまう「タンパク質の重ね食べ」は、リンとタンパク質のダブルパンチになりますので絶対に避けましょう。

麺類のスープと塩分を制限する食べ方

麺類のスープと塩分を制限する食べ方

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ラーメン、うどん、そば、パスタ等の麺類。これらは腎臓病の方にとって、最もハードルが高く、かつ我慢するのが辛いメニューの一つでしょう。その最大の理由は、言わずもがな「スープに含まれる強烈な塩分」です。

商品パッケージに「食塩相当量 6.0g」と書かれていても、絶望しないでください。多くの場合、その塩分の半分以上(時には3/4程度)は、スープの中に溶け込んでいます。つまり、麺と具だけを食べれば、塩分摂取量を大幅に抑えることができるのです。

どうしても麺類が食べたい時の絶対的なルール、それは「スープは一滴も飲まない」ことです。これは鉄の掟です。「一口だけ…」が命取りになります。麺をすする際も、レンゲやお玉を使わず、箸で麺を高く持ち上げてスープを切り、できるだけ水分を落としてから口に運ぶように意識してください。

また、最近流行りの「汁なし担々麺」や「まぜそば」。「汁がないから塩分が少ないのでは?」と思われがちですが、実はこれらは非常に危険です。なぜなら、濃厚なタレが麺一本一本にべっとりと絡みついており、「スープを残す」という物理的な回避ができないからです。結果として、汁ありのラーメンのスープを残して食べるよりも、多くの塩分を摂取してしまう可能性があります。選ぶなら、あっさりした醤油ラーメンや、うどんを選び、スープを残すスタイルを貫きましょう。

成分表示にない添加物とリンの確認

最後に、少し専門的ですが非常に重要な「食品添加物」の話をします。日本の食品表示法では、エネルギー、タンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量の表示は義務付けられていますが、「リン」や「カリウム」の表示義務はありません。

そのため、パッケージの裏を見ても「リン 0mg」と書いてあるわけではありません。しかし、原材料名を見ることで、ある程度のリスクを推測し、回避することは可能です。

特に注意すべきは「無機リン」と呼ばれる食品添加物です。肉や魚に含まれる天然の「有機リン」は、体内への吸収率が20%〜60%程度ですが、添加物として使われる「無機リン」は、なんと90%以上が体内に吸収されてしまいます。これが血中のリン濃度を急激に上げ、血管の石灰化や骨の脆弱化を招く大きな原因となります。

原材料名の要チェックリスト

商品の裏面にある「原材料名」を見て、以下の文字があったら要注意です。これらはリンを含んでいる可能性が高い添加物です。

  • 「リン酸塩(Na)」:ハム、ソーセージ、プロセスチーズによく使われます。
  • 「pH調整剤」:お弁当、サンドイッチ、おにぎりの保存性向上に使われます。
  • 「乳化剤」:パン、スイーツ、チーズなどに使われます。
  • 「イーストフード」:パンのふんわり感を出すために使われます。

これらが多く含まれている加工食品、特に安価なハムやソーセージ、練り物(ちくわ・かまぼこ)、スナック菓子、そしてインスタント麺は、できるだけ避けるか、食べる頻度を極力落とすことが、腎臓を守るための賢明な判断となります。

よくある質問

Q:ファミリーマート公式の「腎臓病食取り扱い店舗一覧」はどこで確認できますか?

A:残念ながら、現時点では公式に公開されている店舗一覧リストは存在しません。過去には展開計画がありましたが、現在は全店共通のリストはなく、各店舗やオーナーの判断で導入されています。確実な情報は各店舗へ直接お問い合わせください。

Q:腎臓病食を取り扱っている店舗を効率よく探す方法はありますか?

A:腎臓内科や透析クリニックなどの医療機関の近くにある店舗や、薬局が併設された店舗(ファミマシー)が狙い目です。Googleマップで病院を検索し、その最寄りの店舗へ「低タンパク質ご飯などの在庫があるか」を直接電話で問い合わせるのが最も確実です。

Q:ダイエット向けの「低糖質パン」は腎臓病食の代わりになりますか?

A:いいえ、推奨されません。「低糖質」と「低タンパク質」は全く別物です。低糖質パンには小麦ふすま(ブラン)などが使われることが多く、カリウムやリンが多く含まれている可能性があるため、パッケージの表示だけで判断せず注意が必要です。

Q:専用の食品がない場合、一般のコンビニ弁当で気をつけるポイントは?

A:付属のソースや漬物を残して塩分をカットする、麺類のスープは一滴も飲まない、サラダチキンなどの高タンパク質食品は一度に食べず量を調整するなど、「物理的に残す・調整する」工夫をすることで、リスクを減らして活用できます。

ファミリーマート腎臓病食の店舗一覧に関する総括

長くなりましたが、今回の記事の内容をまとめます。

  • 現在、ファミリーマート公式の「腎臓病食 店舗一覧」は公開されていない可能性が高い。
  • 入手には、病院近くや薬局併設の店舗(ファミマシー)をターゲットに探すのが最も有効。
  • インターネットの情報に頼らず、店舗への直接の電話問い合わせ(商品名指名)が、無駄足を防ぐ確実な手段。
  • 専用食がない場合でも、弁当の「タレ・漬物抜き」や麺類の「スープ完全残し」で対応は可能。
  • 成分表示にない「隠れリン」は、原材料の「添加物(リン酸塩など)」をチェックして回避する。

コンビニは私たちの生活に欠かせない便利なインフラです。「腎臓病だからコンビニは絶対ダメ」と決めつけて生活の質を落とす必要はありません。完璧な腎臓病食ではなくても、正しい知識を持って「選び方」と「食べ方」を少し変えるだけで、体に優しい食事に近づけることは十分に可能です。

もちろん、食事制限の具体的な数値目標は、患者様のステージや体格、活動量によって異なります。この記事で紹介した方法はあくまで一般的な工夫ですので、必ず主治医(腎臓内科医)や管理栄養士さんの個別の指導を守った上で、上手に賢く、ファミリーマートを活用してくださいね。

  • この記事を書いた人

齋藤正志

コンビニの裏も表も知り尽くしたプロの視点から、新商品やお得なキャンペーン情報をどこよりも詳しく解説中!                                                   ▼保有資格▼                     日本商工会議所主催 販売士検定試験 1級取得,医薬品登録販売者試験 取得,食品衛生責任者 取得,防火管理者,SSTスタッフトレーナー                                              

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