
マイローカルコンビニ
はじめまして! このブログ「マイローカルコンビニ」の運営責任者であり、現役のコンビニ店長を務めております、齋藤 正志(さいとう まさし)と申します。
皆さん、お買い物の際に「あれ、ここのお店はレジ横に消毒液がないのかな?」と気になったことはありませんか。最近では「ファミリーマート レジ横 手洗い」や「消毒液 撤去済み 店舗」といったキーワードで検索される方も増えており、衛生面に関して不安を感じているお客様も多いのではないでしょうか。
特にファミリーマートのレジ横手洗いに関する情報は、店舗によって対応が異なるため、少し分かりにくい部分がありますよね。私自身も店長として、お客様が安心して利用できる環境づくりには日々頭を悩ませています。
記事のポイント
- ファミリーマートの店舗における消毒液設置の現状と背景
- 見えない場所で徹底されているスタッフの厳格な衛生プロトコル
- 大量の消毒液容器をリサイクルする環境への取り組み
- 将来的な「ボトルtoボトル」を目指す資源循環の仕組み
ファミリーマートのレジ横手洗いと消毒液の設置現状
- 消毒液が撤去済み店舗と検索される背景の分析
- 顧客の安心を守るストアスタッフの手指衛生基準
- 業務用の花王ハンドスキッシュEXを採用する理由
- 店舗全体の清潔さを維持するクリンネスの徹底
- 危機管理ガイドラインに基づく安全対策の全容
消毒液が撤去済み店舗と検索される背景の分析
最近、インターネット上で「消毒液 撤去済み 店舗」や「ファミリーマート レジ横 手洗い ない」といった言葉を見かける機会が増えました。読者の皆様の中にも、入店時や会計後に手指の消毒をしようとして、いつもの場所にボトルが見当たらず戸惑った経験がある方がいらっしゃるかもしれません。
設置状況が変化している理由
これは、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが変更されたことや、社会全体の衛生対策が「非常時」から「日常」へと移行する中で、一部の店舗や施設が入り口やレジ横に設置していた顧客用アルコール消毒液を撤去、あるいは縮小し始めたことに起因しています。
私たちコンビニの現場でも、本部のガイドラインやオーナーの判断、あるいは店舗の立地条件(狭小店舗で設置スペースが確保できない等)によって、設置状況にばらつきが生じているのが現状です。以前のように「全店一律で必ず入り口とレジ横にある」という状態ではなくなりつつあります。
「ない=不衛生」という誤解
しかし、ここで私が声を大にしてお伝えしたいのは、「お客様用の消毒液が設置されていない=そのお店が衛生管理をしていない」というわけでは決してないということです。
もし店舗の衛生状態や対応に明らかな不備を感じた場合は、ファミリーマートの苦情・問い合わせ窓口へご連絡いただくことも、サービス向上の助けになりますが、基本的にはお客様の目に見える設備(ハード面)だけに頼るのではなく、従業員の行動(ソフト面)や、店舗運営の仕組みそのもので衛生レベルを担保しようという、より本質的な取り組みが強化されています。
次項からは、私たちストアスタッフがバックヤードやカウンター内で具体的にどのような衛生対策を行っているのか、現役店長の視点から詳しく解説していきます。
顧客の安心を守るストアスタッフの手指衛生基準

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お客様用の消毒液設置状況に関わらず、私たちファミリーマートのストアスタッフには、極めて厳格な手指衛生プロトコル(手順)が課されています。これは、単に「手が汚れたら洗う」という個人の裁量に任されたレベルの話ではありません。
徹底された3つの消毒タイミング
店舗で働くスタッフには、主に以下のタイミングでのアルコール消毒が義務付けられています。
スタッフに義務付けられている消毒のタイミング
- 業務開始前:シフトに入って売り場に立つ直前、必ず手洗いと消毒を行います。
- 休憩終了後:休憩から戻った直後も、外からの汚れを持ち込まないよう再度リセットします。
- 調理・販売時:ホットスナックや中華まんなどの調理・販売を行う都度、必ず消毒します。
ファミチキを守る衛生の砦
特に皆様におなじみの「ファミチキ」や「肉まん」といったホットスナックを取り扱う際は、その都度アルコール消毒を行うことが徹底されています。また、複雑なファミマのレジ画面操作(店員側)を行う合間であっても、食品に触れる前には必ず手指の衛生状態をリセットすることがルール化されています。
私が勤務する店舗でも、スタッフ同士で「消毒した?」と声を掛け合う文化が根付いています。もしお客様がレジ横で直接消毒液を使える環境になかったとしても、商品や釣り銭を提供する側の人間が徹底的に清潔な状態を保つことで、間接的かつ確実にお客様の安全を守っているのです。
業務用の花王ハンドスキッシュEXを採用する理由
ファミリーマートで使用されている消毒剤にも、プロならではのこだわりがあります。一般家庭でよく見かける市販製品ではなく、実は「花王 ハンドスキッシュEX」という業務用の製品が採用されているケースが多いのをご存知でしょうか。
なぜ市販品ではなく「プロ用」なのか
この製品は、花王プロフェッショナル・サービス株式会社が提供しているもので、病院や介護施設、飲食店など、衛生管理が生命線となる現場のために作られたB2B(企業間取引)向けの専門ソリューションです。
業務用の選定理由
コンビニ業務では、1日に数十回、多いときにはそれ以上の回数、アルコール消毒を行います。一般的な製品では、これだけの頻度で使用すると手荒れを起こしてしまうリスクがあります。手が荒れると、その傷口に菌が繁殖しやすくなるため、逆効果になりかねません。
そのため、高い除菌効果を持ちながらも、保湿成分などでスタッフの手指を保護できる「プロ用製品」が選ばれているのです。
本部レベルでの選定基準
私たちが普段何気なく使っている消毒液一つとっても、現場のスタッフが安全かつ効果的に使い続けられるよう、本部レベルでしっかりとした選定が行われていることが分かります。この「見えない道具へのこだわり」も、ファミリーマートの衛生管理の信頼性を支える重要な要素です。
この取り組みの背景には、企業としての責任ある行動指針があります。詳しくは(出典:ファミリーマート公式ウェブサイト『ファミリーマートと花王プロフェッショナル・サービス 使用済みアルコール消毒液容器(ボトル)のリサイクル実証実験を開始』)などの公式情報でも確認することができます。
店舗全体の清潔さを維持するクリンネスの徹底
衛生管理の話をすると、どうしても「手洗い」や「消毒」に注目が集まりがちですが、ファミリーマートではもっと広い視野での管理が行われています。「事前準備の徹底」として、店舗環境全体のクリンネス(清潔さ)維持が厳しく義務付けられているのです。
「駐車場」も衛生管理の一部
具体的には、以下のような場所の状態が常にチェックされています。
- ゴミ箱周辺:溢れていないか、投入口が汚れていないか。
- ゴミ置場:バックヤードのゴミ保管場所が整理整頓されているか。
- 駐車場・店頭:食べかす、飲料の液垂れ、ガムの吐き捨てがないか。
「レジ横の手洗いと駐車場のゴミに何の関係があるの?」と思われるかもしれません。しかし、外のゴミを放置することは、害虫(ハエやゴキブリなど)やネズミを店舗周辺に呼び寄せる原因になります。これらが店内に侵入すれば、どれだけ手指を消毒しても食品の安全は脅かされてしまいます。
駐車場に落ちているアイスの棒一本まで見逃さない姿勢こそが、結果として店内での食品取り扱いにおける安全性の担保につながっていると私は考えています。「神は細部に宿る」と言いますが、衛生管理もまさに細部の積み重ねですね。
危機管理ガイドラインに基づく安全対策の全容

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さらに、ファミリーマートには日常の清掃業務を超えた、包括的な安全対策ガイドラインが存在します。これは予期せぬトラブルや災害から、お客様とスタッフの命を守るための「行動の指針」です。
想定外の事態に備えるマニュアル
例えば、少し驚かれるかもしれませんが、近年増加している「クマの出没」に関する対応マニュアルまで定められているんです。
緊急時の対応例(クマ出没時など)
もし店舗周辺で危険生物(クマなど)の出没情報が入った場合、直ちに屋外での作業(掃除やゴミ出しなど)を中止するよう定められています。さらに、駐車場にいるお客様やスタッフを速やかに店内や車内へ避難誘導するなど、人命最優先の行動をとることが徹底されています。
このように、単なる「清潔さ」だけでなく、あらゆる危機的状況を想定したオペレーションが組まれている点は、全国展開する大手チェーンならではの安心感と言えるでしょう。レジ横の手洗い設備だけでなく、こうした店舗運営全体の安全性(セーフティネット)にも目を向けていただけると、私たち現場の人間も非常に励みになります。
ファミリーマートのレジ横手洗いから始まる環境戦略
- 年間4万本の消毒液容器排出と環境への課題
- 配送トラックの空きスペースを活用した回収方法
- 神奈川県で実施されたリサイクル実証実験の詳細
- プラスチック資源循環促進法への先進的な対応
- よくある質問
- ボトルtoボトルを目指す資源循環の仕組み
年間4万本の消毒液容器排出と環境への課題
さて、ここからは少し視点を変えて、衛生対策の裏側で起きている「環境問題」についてお話しします。先ほど紹介した「花王 ハンドスキッシュEX」など、徹底した衛生管理を行うためには、どうしても消耗品が必要になります。
衝撃の廃棄量
ファミリーマート全店では、このアルコール消毒液の容器がどのくらい消費されているかご存知でしょうか。なんと、年間約4万本、重量にして約2トンものプラスチック容器が排出されているのです。
「お客様とスタッフの安全を守る衛生のためには仕方ない」で済ませることもできます。店舗では日頃からファミリーマートの段ボール回収など、可能な範囲でのリサイクル活動は行っていますが、これだけの量のプラスチックボトルをただ廃棄し続けるのは、SDGsや環境保護が叫ばれる今の時代にはそぐわないですよね。
そこでファミリーマートでは、この使用済み容器を「ゴミ」ではなく「資源」として活用するための大きな挑戦を始めています。
配送トラックの空きスペースを活用した回収方法

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使用済みの容器を回収してリサイクルしようとすると、通常は大きな壁にぶつかります。それは「回収コスト」と「輸送に伴うCO2排出」です。わざわざ回収のためにトラックを新たに手配して全国を回っていたのでは、コストがかかる上に、トラックの排気ガスでかえって環境に負荷をかけてしまいます。
「ついで」をシステム化するリバースロジスティクス
そこで考案されたのが、「リバースロジスティクス(静脈物流)」という考え方を取り入れた革新的な回収方法です。
| 項目 | 通常の回収方法 | 今回の回収方法(リバースロジスティクス) |
|---|---|---|
| 輸送手段 | 回収専用のトラックを別途手配 | 商品を届け終えた店舗配送トラックを活用 |
| 積載状況 | 回収のためだけに走行 | 帰りの空きスペース(デッドスペース)を利用 |
| 環境・コスト | コスト高・CO2排出増 | コスト抑制・効率的・低炭素 |
仕組みは非常にシンプルかつ合理的です。店舗にお弁当や飲み物を納品した後のトラックは、荷台が空っぽに近い状態で配送センターに戻ります。この「帰りの空きスペース」に使用済み容器を載せて持ち帰ることで、追加の車両を使わずに回収を行うことができます。これは物流の無駄をなくす、非常に賢い作戦(戦略)だと思いませんか?
神奈川県で実施されたリサイクル実証実験の詳細
この画期的な回収システムが机上の空論ではなく、実際の現場で機能するかどうかを検証するため、ファミリーマートと花王プロフェッショナル・サービス株式会社がタッグを組み、大規模な実証実験が行われました。
実証実験の具体的な内容
実証実験の概要データ
- 実施期間:2024年3月13日(水) 〜 5月21日(火)
- 対象地域:神奈川県内の一部のファミリーマート(約350店舗)
- 対象製品:花王 ハンドスキッシュEX 800ml(本体/つけかえ用)
- 検証項目:店舗での分別保管、ドライバーへの引き渡しフロー、センターでの集約管理など
約3ヶ月間という短期間で集中的に行われたこの実験では、忙しい店舗業務の中でスタッフが負担なくドライバーへ引き渡しができるか、回収した容器をセンターで衛生的に保管できるかなど、実運用に向けた細かい検証が行われました。私がいる店舗は神奈川ではなかったため参加できませんでしたが、同じ店長として非常に興味深い取り組みだと感じています。
プラスチック資源循環促進法への先進的な対応
このような取り組みが加速している背景には、2022年4月に施行された「プラスチック資源循環促進法」という法律の存在があります。この法律は、企業に対してプラスチック製品の設計から販売、そして廃棄に至るまで、資源を循環させる責任を求めています。
法令順守を超えた企業の姿勢
ファミリーマートの今回の取り組みは、単なるボランティア活動ではなく、法律に基づいた企業の社会的責任(CSR)としての側面も持っています。衛生管理でどうしても出てしまうプラスチックごみを、「仕方ない」で終わらせず、どうやって適正に循環させるか。
この課題に対して、メーカーである花王と、販売・使用現場であるファミリーマートが協力して解決策を探っている点は、コンビニ業界だけでなく、小売業界全体でも注目される先進的な事例と言えます。
ボトルtoボトルを目指す資源循環の将来展望
回収された容器の行く末についても、大きな目標が掲げられています。それは「ボトルtoボトル」の実現です。
究極のリサイクルモデル
「ボトルtoボトル」とは、回収した使用済みの消毒液ボトルを粉砕・洗浄して原料に戻し、再び消毒液のボトルとして生まれ変わらせるという究極の資源循環モデルです。ペットボトル飲料では徐々に普及してきましたが、業務用の消毒液ボトルでこれを実現するには、技術的にも品質管理的にも高いハードルがあります。
しかし、もしこれが実現すれば、将来ファミリーマートのレジ横やバックヤードに置かれる消毒液が、かつてどこかの店舗で使われていたボトルから作られたものになるかもしれません。
「レジ横の手洗い」という衛生対策(Social)と、リサイクルという環境対策(Environment)が、物流の効率化(Governance)によって完全にリンクする未来。とてもワクワクしますし、私たち利用者も応援したくなりますよね。
よくある質問
Q:なぜレジ横に消毒液が置かれていない店舗があるのですか?
A:感染症法の位置づけ変更や店舗ごとのスペース事情により、設置状況は異なります。ただし、お客様用ボトルの有無にかかわらず、見えない場所でスタッフによる厳格な衛生管理が徹底されています。
Q:消毒液がない店舗は衛生管理が不十分ということですか?
A:いいえ、決してそうではありません。スタッフは業務開始前やホットスナック調理の都度、アルコール消毒を行うことが義務付けられており、店舗全体の清掃基準も厳しく設定され、安全が担保されています。
Q:店舗で使用しているアルコール消毒液はどのような製品ですか?
A:花王の業務用製品「ハンドスキッシュEX」を採用しています。頻繁に使用しても手荒れしにくく、かつ高い除菌効果を持つプロ仕様の製品を選定することで、スタッフの手指衛生を確実に守っています。
Q:使用済みの大量の消毒液ボトルはどのように処理されていますか?
A:年間約4万本の空容器を資源とするため、商品を配送した後のトラックの空きスペースで回収する「リバースロジスティクス」の実証実験を行い、再びボトルとして再生するリサイクルに取り組んでいます。
ファミリーマートのレジ横手洗いと衛生のまとめ

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今回は、「ファミリーマート レジ横 手洗い」というキーワードから、店舗の消毒液設置事情や、その裏側にある壮大な衛生・環境戦略について深掘りしてみました。記事が長くなりましたので、最後に重要なポイントをまとめておきます。
記事の要点まとめ
- レジ横に消毒液がなくても、スタッフの手指衛生は「3つのタイミング」で厳格に管理されている。
- 使用しているのは手肌に優しく除菌力の高いプロ仕様の「花王 ハンドスキッシュEX」。
- 衛生管理で出る年間4万本の空容器を、配送トラックの「帰り便」で回収する実験を実施。
- 最終的には回収したボトルを再びボトルにする「ボトルtoボトル」を目指している。
お客様の目に触れる「レジ横の手洗い」は、ファミリーマートの衛生管理のほんの氷山の一角に過ぎません。その水面下では、徹底したスタッフ教育と、環境にも配慮した高度なオペレーションが日々動いています。
次にファミリーマートを訪れた際、もしレジ横に消毒液がなかったとしても、バックヤードで清潔な手を維持しているスタッフがいること、そしてその裏で環境を守る物流が動いていることを思い出していただけると、安心感や見る目が少し変わってくるかもしれません。
なお、本記事で紹介した取り組みや実証実験の詳細は、時期や地域によって異なる場合があります。正確な情報は必ず公式サイトをご確認ください。