
マイローカルコンビニ
はじめまして! このブログ「マイローカルコンビ」の運営責任者であり、現役のコンビニ店長を務めております、齋藤 正志(さいとう まさし)と申します。
趣味の同人誌やコピー本、あるいは会議資料やZINE(ジン)などで「ちゃんとした冊子を作りたい」と思ったとき、セブンイレブンの小冊子印刷は本当に便利ですよね。24時間いつでも印刷できて、仕上がりもキレイ。特に最近はパソコンを使わず、スマホだけで完結させたいという方が非常に増えています。
でも、いざスマホでやろうとすると「アプリの設定に小冊子がない」「料金が高くなりそうで怖い」「作り方がよくわからない」といった壁にぶつかることも多いのではないでしょうか。実はちょっとしたコツを知っているだけで、スマホからでも失敗なく、しかも驚くほど安く本格的な小冊子を作ることができるんです。
記事のポイント
- スマホアプリ「netprint」を使った具体的な入稿手順
- 印刷料金を劇的に安く抑えるためのデータ作成の裏技
- 店頭のマルチコピー機で失敗しないための設定ポイント
- プロのような仕上がりにするための製本テクニック
セブンイレブンの小冊子印刷をスマホで準備する

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ここからは、実際にセブンイレブンに行く前にスマホで済ませておくべき「準備」について解説します。実は小冊子印刷の成功のカギは、この準備段階が9割を握っていると言っても過言ではありません。お店についてから慌てないよう、しっかりと準備しておきましょう。
netprintアプリのおすすめと選び方

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セブンイレブンのネットプリントを利用するためのアプリには、実は2種類あることをご存じでしょうか? オレンジ色の「かんたんnetprint」と、緑色の「netprint」です。どちらも同じ開発元ですが、用途によって使い勝手が大きく異なります。
結論から言うと、小冊子を作りたい場合は「netprint(緑色のアイコン)」アプリの使用を強くおすすめします。
「かんたんnetprint」は会員登録不要で手軽なのですが、ファイルの保存期間が「翌日の23:59まで」と非常に短いんです。小冊子作りは、データの修正が発生したり、試し刷りをしてから本番印刷をしたりと、数日にまたがって作業することが多いですよね。期限が切れるたびにアップロードし直すのは本当に手間がかかります。
ちなみに、セブンイレブンのネットプリントのやり方!簡単ガイドでも詳しく解説していますが、通常の文書印刷であっても、頻繁に利用する方は保存期間の長い「netprint」アプリの方が便利です。
| 機能・特徴 | かんたんnetprint | netprint(推奨) |
|---|---|---|
| ユーザー登録 | 不要 | 必要 |
| 保存期間 | 登録翌日の23:59まで | 登録日から30日間 |
| 主な用途 | 今すぐ1枚だけ印刷したい時 | 小冊子や長期的な資料保存 |
【netprintアプリ(要会員登録)のメリット】
- ファイルの保存期間が登録日から30日間と長い
- 予約番号が変わらないので、あとで再印刷したい時もスムーズ
- 複数のファイルをフォルダ分けのように管理しやすい
じっくり準備を進めるためにも、まずは「netprint」アプリをインストールして、会員登録を済ませておきましょう。
小冊子印刷にはPDFデータの作成が必須
ネットプリント自体は、写真(JPEG)やWord、ExcelといったOfficeファイルにも対応しています。しかし、小冊子印刷をするなら「PDF形式」での用意が絶対条件だと思ってください。
なぜなら、Officeファイルなどは、スマホやパソコンの環境によってフォントが置き換わったり、レイアウトが崩れたりするリスクが非常に高いからです。特に小冊子はページごとのレイアウトが命。印刷してみたら「文字が次のページにはみ出していた」「行間が変わってページ数がズレた」なんてことになったら目も当てられません。
CanvaやWord、Pagesなどで原稿を作っている場合も、必ずアプリの「PDF書き出し」機能などを使って、レイアウトが固定されたPDFファイルを用意しましょう。
スマホで小冊子のレイアウト設定は不可
これ、私が店頭でお客様から最もよく聞かれる質問の一つです。「スマホのアプリで『小冊子』という設定項目が見当たらないんですけど……」というご相談ですね。
実は、スマホアプリ側では「小冊子」にするための設定は一切できません。
アプリ(netprint)の役割は、あくまで「データをセブンイレブンのサーバーに送って、予約番号を発行する」ところまでなんです。小冊子にするための「両面印刷」や「面付け(ページ配置)」の設定は、すべて店舗のマルチコピー機のタッチパネルで行います。
ですので、スマホでの作業は「ページ順に並んだ普通のPDFをアップロードするだけ」でOKです。「面付け(2ページを1枚に配置する作業)」を自分でする必要もありません。
ここが注意点!
アプリで「用紙サイズ」などを設定する項目がありますが、これはあくまで目安です。最終的な設定はすべて店舗の機械側で上書き決定されますので、アプリ上ではデフォルトのままでアップロードしても問題ありません。
印刷料金を安くするデータ分割の裏技

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さて、ここが今回一番お伝えしたい「店長ならではの節約術」です。セブンイレブンのマルチコピー機には、料金計算においてちょっと厄介な仕様があります。
それは、「一度『カラー印刷』を選ぶと、ジョブ内の全ページがカラー料金になる」という点です。
例えば、28ページの冊子のうち、カラー写真があるのは4ページだけで、残りの24ページは白黒の文章だとします。これをそのまま「カラー」設定で印刷すると、白黒のページまで高いカラー料金(A3だと1枚100円!)がかかってしまうんです。これは非常にもったいないですよね。
これを防ぐために、以下の手順でデータを分割しましょう。
- カラー用PDF:カラーで印刷したいページだけを抽出したファイル
- モノクロ用PDF:白黒でいいページだけを抽出したファイル
この2つのファイルを別々にアップロードし、2つの予約番号を取得します。そして、店舗ではそれぞれの設定(カラー・白黒)で印刷するのです。
| 印刷パターン | A3用紙14枚(28P)の料金シミュレーション |
|---|---|
| 全てカラー設定で印刷 | 14枚 × 100円 = 1,400円 |
| 分割して印刷(カラー4枚+白黒10枚) | (4枚×100円) + (10枚×20円) = 600円 |
このように、少しの手間で半額以下に抑えられることもあります。お財布のためにも、ぜひこの「データ分割戦略」を試してみてくださいね。
(出典:富士フイルムビジネスイノベーション『ネットプリントサービス ご利用料金』)
自動面付けとページ数の調整ルール
「面付け(めんつけ)」とは、製本した時にページ順が正しくなるように、紙の左右にページを配置する作業のことです。これを自分でやるのは大変な計算が必要ですが、セブンイレブンのマルチコピー機なら自動でやってくれるので安心してください。
私たちが気をつけるべきは、「総ページ数」だけです。
小冊子は紙を二つ折りにする構造上、ページ数は必ず「4の倍数」である必要があります。(4ページ、8ページ、12ページ、16ページ……など)。
ページ数が4の倍数じゃない時は?
もし原稿が10ページしかない場合は、最後に白紙ページを2ページ追加して、合計12ページになるようにPDFを調整してください。これができていないと、意図しない場所に白紙が入ったり、エラーになったりすることがあります。「あとがき」や「メモ欄」を作ってページ数を調整するのもテクニックの一つですよ。
スマホ入稿でセブンイレブンの小冊子印刷をする
データの準備ができたら、いよいよセブンイレブンの店舗へ向かいましょう。ここからは、マルチコピー機の前で慌てないための実践的な操作手順です。
店舗のマルチコピー機での操作手順
店舗に着いたら、マルチコピー機のタッチパネルを操作します。他のコピー機と間違えないようにしましょう。
- メニュー画面で「プリント」を選択します。
- 次に「ネットプリント」を選びます。
- スマホアプリで発行された「8桁のプリント予約番号」を入力します。
データを分割した場合は、まず「カラー用」の番号から入力していきましょう。番号を入力するとデータのダウンロードが始まり、少し待つとプレビュー画面が表示されます。
失敗しない用紙サイズとプレビュー設定
ここが運命の分かれ道です。ダウンロード後のプレビュー画面で、必ず以下の設定を行ってください。適当に「次へ」を押してしまうと失敗します。
【プレビュー画面での必須設定】
- 「詳細設定」ボタンを押す
- 「カラーモード」を確認(カラー用ならカラー、モノクロ用なら白黒を選択)
- 「小冊子」の項目を選び、「する」にチェックを入れる
- 「右とじ」か「左とじ」かを選択(縦書き小説なら右とじ、横書き資料なら左とじが一般的)
最大の落とし穴「用紙サイズ」

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最も間違いやすいのが「用紙サイズ」の選択です。
小冊子機能を使う場合、機械は「仕上がりサイズの2倍の大きさの紙」を使います。つまり、A4サイズの冊子を作りたいなら、用紙は「A3」を選ばなければなりません。
ここで「A4の冊子だから」とA4用紙を選んでしまうと、仕上がりがA5サイズ(A4の半分)になってしまい、「ちっちゃ!」と叫ぶことになります。必ず「開いた状態のサイズ(倍のサイズ)」を選ぶことを忘れないでください。
印刷後のホチキス留めと製本の方法

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印刷が終わって排出口から出てくるのは、ページがバラバラに印刷された大きな紙の束です。「あれ? 冊子になってない?」と驚かないでくださいね。
セブンイレブンのマルチコピー機は「面付け(配置)」まではしてくれますが、「折る」「綴じる」という製本作業はセルフサービスなんです。
キレイに仕上げるための手順は以下の通りです。
- 印刷された紙を重ねて、ページ順が合っているか確認する(通常はそのままでOK)。
- 真ん中でキレイに二つ折りにする。
- 折り目の部分(背)をホチキスで留める。
店長のワンポイントアドバイス
普通のホチキスだと針が届きにくいので、100円ショップなどで売っている「中綴じ用ホチキス(針の土台が回転するタイプ)」があると便利です。また、折り目をカッターや定規を使ってしっかりプレスすると、膨らみが抑えられてプロっぽい仕上がりになりますよ。
表紙だけこだわりたい場合
もし「表紙だけは光沢のあるしっかりした紙にしたい」という場合は、表紙のデータだけを分けてセブンイレブンの写真プリントのやり方を参考に、写真用紙やはがき用紙で印刷するのも一つの手です。本文と合体させる手間は増えますが、グッとクオリティが上がります。
印刷期限切れなどトラブル時の対処法
「お店に行ったら予約番号の期限が切れていた……」というトラブルもよくあります。特に「かんたんnetprint」を使っていた場合に多いですね。
もし期限が切れてしまっても、データ自体がスマホに残っていれば、その場ですぐに再アップロードして新しい番号を取得すれば大丈夫です。ただし、店内だと通信状況が悪いこともあるので、Wi-Fi(セブンスポットは終了していますが、自身のテザリングなど)を活用しましょう。
また、万が一印刷ミスをしてしまった場合(ページ順が逆だったなど)、マルチコピー機での返金は基本的にはできません。だからこそ、大量印刷する前に必ず1部だけ試し刷りをして、中身を確認することを強くおすすめします。
よくある質問
Q:スマホアプリで「小冊子」の設定項目が見当たりません。どうすればいいですか?
A:スマホアプリ側では小冊子の設定はできません。アプリはデータの送信のみを行い、小冊子化や面付け(ページ配置)の設定は、店舗のマルチコピー機のタッチパネル操作時に「詳細設定」から行います。
Q:数ページだけカラー写真を入れたいのですが、印刷料金を安くする方法はありますか?
A:カラーページとモノクロページのPDFデータを分割して登録するのがおすすめです。店舗でそれぞれ「カラー」「白黒」と設定を分けて印刷することで、全ページにカラー料金が適用されるのを防ぎ、費用を大幅に節約できます。
Q:A4サイズの冊子を作りたい場合、用紙サイズは何を選べば良いですか?
A:必ず仕上がりサイズの2倍である「A3」サイズを選択してください。もし「A4」を選択してしまうと、仕上がりが半分のA5サイズになってしまうため注意が必要です。
Q:原稿のデータ形式やページ数に決まりはありますか?
A:レイアウト崩れを防ぐため必ず「PDF形式」で用意してください。また、紙を二つ折りにする構造上、総ページ数は必ず「4の倍数」にする必要があります。足りない場合は白紙ページなどで調整してください。
総括:セブンイレブンの小冊子印刷はスマホで完結
これまでの手順をマスターすれば、パソコンがなくてもスマホ一台で、しかも低コストで立派な小冊子が作れます。
最初は「データ分割」や「面付け」の概念が少し難しく感じるかもしれませんが、一度やってみると案外スムーズにできるものです。同人誌やZINE、イベントのパンフレットなど、あなたのアイデアを形にする手段として、ぜひセブンイレブンのマルチコピー機を使い倒してみてください。
私も自分の店で、お客様が満足そうに印刷物を持ち帰る姿を見るのが大好きです。無事に作業が終わったら、自分へのご褒美にセブンイレブンのアイスコーヒーでも買って一息ついてくださいね。あなたの冊子作りが成功することを応援しています!00